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S3第2話【エッジ・オブ・ネザーキョウ】全セクション版

総合目次 全セクション版
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S3第1話 ←

【エッジ・オブ・ネザーキョウ】


1

 傾いたビル廃墟の横を通る時、ザックはいつも緊張する。ビルの砕けた窓には蔦植物型のモミジが絡みつき、ビルの入口は大樹の根がうねるように侵食して、まるでそれ自体が恐るべき巨人めいている。

 だが、恐れるべきものは、もっと幾らでも在る。第一には、黒帯を締めたカラテビースト達。どんなニンジャマジックを使ったものか、「偉大なる」タイクーンが、領民を強く鍛えるために生み出したのだという。たしかに、狩って殺せば美味いし、ハイカロリーなのだ。大きなお世話だ。

 第二には、治安維持のために領土をパトロールするゲニントルーパー達だ。奴らがザック達を守ってくれる事などあまりないし、むしろ、ネングの取り立ての時ばかり生き生きしている。連中は白帯のくせに、生意気だ。

 何年前だか忘れたが、カラテクマ討伐の大立ち回りに出くわし、巻き添えをくって、ザックは大怪我をした。それ以来、左目の視力が落ち、焦点がうまく合わない。「クソッタレだぜ」ザックはTシャツの首元を引っ張り、走る汗を拭った。Tシャツには「アベ一休」のクールなロゴ。憧れのカルチャーだ。

 クールなものは、いつでも「リコナー」が発信地だ。彼らはこのカナダの土地のあちこちに点在するロービット・マインを発掘し、プロキシを見つけてくる。プロキシを使えば、ネザーキョウでもインターネットが使えるのだ。だが、当然それは重罪である。命がけだ。

 しかし、それが何だというのだ? インターネットで伝わるカルチャーはどれも鮮やかで、スピード感があり、刺激的だ。都から有線で配信されてくるネザーキョウのコンテンツは押し付けがましく、バカバカしくてやっていられない。「あぶね!」ザックは水溜りのカラテサソリを避けた。小型だが危険だ。 

「シュパッ! シュパーッ!」黒帯を締めたカラテサソリはよく育ったロブスターぐらい大きく、尻尾で突かれれば最悪、命にかかわる。水から離れれば、ひとまず安全。「ナメんなよ!」ザックは石を拾い、投げつける。「キーッ!」嫌ったらしい悲鳴があがる。最悪だ。中指を突きつけ、先を急ぐ。

「ハッ……ハッ……」息を荒げながら、先を急ぐ。とにかくこの土地は最悪だ。だから、いつか抜け出してやる。ザックは毎日そう考え続けている。もう十三歳になった。ヤスやキンケイドより年上だ。何だってできる。川の向こうには、何でもあるんだ。

 リコナー「XX002」のアジトは、地面に半ば埋まった廃装甲車の天井ハッチが入り口だ。入るときは、当然とびきり用心する必要がある。ザックは息を殺し、周囲を見る。モミジの木が風に揺れるばかり。鳥もいない。危険なカラテホークもいない。今なら問題ない。彼はハッチを苦労して開き、滑り込む。

 廃装甲車の風穴から繋がる下水路を暫く進むと、カムフラージュ・ノーレンだ。「……オツカレ! XX002=サン!」ザックは中に入った。ダッダーダダービビボー。心地よいUNIX駆動音と、ヤスたちのビデオゲーム音が出迎える。「オツカレ、ザック」「オツカレ!」ヤス。キンケイド。アレン。フィル。

「ようザック」アジトの奥、高級ゲーミング・チェアを回転させ、XX002が笑いかけた。その目はクールなデバイスで覆われ、髪の毛はクールなドレッドだ。「元気かよ?」「ウン元気。ほら」差し入れのパンダ・マンを投げてやる。パンダをかたどったミート・ニクマンで、肉はカラテクマだ。美味なのだ。

「パンダ・マンがなきゃ、始まらね」XX002は上機嫌でマンを頬張った。「わかんねえな」ザックは不服だった。「田舎の食い物じゃん。クールなオキアミ・バーとか、アンタなら食べ放題だろ」「バカ言うな。電子情報は飯にはならん」バオゴゴ。ビロビロー。ここで気づく。ゲームは新作だ! 

「オイ、なに楽しんでンだよお前ら!」「スッゲエだろ、これ!」ヤスが極彩色のモニタから振り返った。四人が同時に対戦している。「ヨサマイカベー!」「ヤンチャダヨ!」賑やかな格闘ボイスがスピーカーから発せられる。「それもネット経由かよ?」「そういう事!」

「ネット、ネット、インターネットだよな」ザックは爪を噛んだ。「クールなものはみんな、あっちにあるんだ。それなのにさ」台の上のTVリモコンを操作し、モニタの表示を切り替えてしまう。「アッ!」「何やってんだよ!」不平を喚く悪童たち。「アカチャン…」「オマエサン」涙の別れの映画光景だ。

 さらに切り替える。「ヒートミー……トジテネテネー……アシタノ……オマエタチー……」グリッター・ドレス姿のシンガーが、アコーデオン奏者と「明智」の円紋章をバックに、センチメンタルな古歌を歌っている。「よせッての!」フィルがリモコンを奪い、ゲームに戻した。

 画面が切り替わっても操作は受け付けられている。ヤスは当てずっぽうで攻撃コマンドを連打していた。「ヨサマイカベー! ヨサマイカベー! ヨサマイカ! ヨサマイ! ヨサ! ヨサ!」「ウワッ、ずるいぞ!」「ギャハハハ!」「つまりさ、俺が言いたいのは、ファッキング……」ネザー、キョウ。口真似する。

 悪童たちは顔を見合わせ、「「ファッキング、ネザーキョウ!」」と和する。XX002は苦笑する。「お前ら、元気だよ、こっちまで元気になる」「そうだろ? せっかくのプロキシだって、俺たちがいるから有意義なんだぜ」「参ったね」UNIXには円柱形の小さなデバイスが接続されている。それがプロキシだ。

 プロキシを使えば、電子戦争以前から存在する地下ネットワーク網にアクセスし、世界と繋がる事が可能になるのだ。ザックは本題に入った。「だけどお前らさ、結局、クール情報とか、Tシャツのプリントアウト・データとか止まりだぜ。オキアミ・バーの味はわからねえんだよ」「何が言いたいんだよ」

「決まってる。実際、見えてるだろ」ザックは身を乗り出した。「……川向こうに、それがあるんだ」悪童たちは黙り込み、互いの目を見た。XX002が咳払いした。「よォ、ザック、そりゃな、川の向こうはUCAだ。誰だって、それを知ってる」「知ってるのに考えようともしねえ。知らねえのと一緒じゃん」

「参ったね……」XX002が頭を掻いた。UCA、ユナイテッド・コープス・オブ・アメリカ。インターネット情報によれば、それこそが文明、それこそがネザーキョウの外だ。タイクーンの攻撃に対抗する為、暗黒メガコーポ複数社が戦力を出し合い、臨時の防衛網を作ったのだという。

「UCAは情報社会に脳を侵された惰弱な企業の奴隷に過ぎない」。タイクーンはそう断じている。実際、UCAの戦績はそう芳しいとはいえない。バンクーバーを攻略したという情報もある。それはしかも矢文や水晶玉でもたらされたものではなく、向こう側のネット情報なので、おそらく真実なのだ。

「向こうに行ったって、そう大したものはないかもしれないぜ」キンケイドが言った。「ア? ゲームやっといて何だよ?」「いや、ゲームは確かに向こうからだぜ。だけどこっちにはパンダ・マンもあるし、メイプル・シロップもある。クソトルーパーや獣どもに気をつけてりゃ、寝るところもある」「小せえな」

「何だとぉ!?」「俺は夢があるぜ! それはアンタイセイだ! 自由を追い求めるんだ!」アベ一休Tシャツを掴む!「ザッケンナコラー!」ケンカが始まりかける。アレンが悲しい顔で止める。「やめよ、そういうの」「ア……悪い」「最近その話ばっかりだな、ザック」XX002が尋ねる。「何かあったか」

「俺……確かめたんだよ。街で実際に調べ回って、マジに確かめた」ザックが言った。「アケチ水軍の隊長格に、スピアフィッシュっていう奴がいる。ソイツが小遣い稼ぎをしてるんだ……」「……それって……」「相応のカネを払えば、奴は攻撃艇の底に客を隠して、向こう岸に送ってくれるんだよ」

 アケチ水軍はネチャコ川・フレーザー川を攻撃艇やジェットスキーで行き来し、略奪行為を行うならず者集団である。タイクーンへの忠誠は確かに怪しいものであり、そのサイドビジネスには多少信憑性はあった。「マジかよ」「何だって……?」「俺はブルシットだと思うぜ」XX002が難色を示した。

「そのスピアフィッシュは、ニンジャだ。ニンジャってのは血も涙もない連中で、どんな悪辣な事でもやってみせるんだ。お前らはまだガキだから、そういう夢物語にハマッちまう」「……」「お前らはインターネットを使って、立派なリコナーになるんじゃなかったのか?やるべき事がもっとあるだろう?」

 アレンが頷き、ザックを見た。「そうだよ。僕らは……UCA領域の人たちに……いや、それだけじゃないよ。世界中と繋がっていられるんだ。プロキシがあればね。発信していかなきゃ。これ以上、この国に、騙されてやって来て、トルーパーにされる人とか……犯罪者とかが増えないように……」

 アレンは静かで、穏やかだが、強い意志を秘めていた。そして彼らの中で一番賢かった。ザックは唸り、俯いた。「まあ……そういう考え方もあるけどよ……」ヤスがザックの肩を叩いた。「ゲームやって落ち着けよ。かわってやるから」「ちぇ……」

「ヨサマイカベー!」「ヤンチャダヨ!」ゲームの音声は賑やかで、迷彩ノーレンをくぐって彼らが現れたことに気づくのが、少し遅れた。「アッ!」アレンが息を呑んだ。その目線を追い、ヤスが気づいた。「アイエッ……!」「ウワーッ!」キンケイドが銃を手にとった。「イヤーッ!」「アバーッ!」

 スリケンがキンケイドの眉間を貫いた。「アイエエエエ!」「アイエエエエエ!」悪童たちは悲鳴を上げた。「イヤッ! イヤーッ!」威嚇のスリケンが天井に突き刺さった。ドカドカと入ってきたのはゲニントルーパー達である!「動くな! わかるぞ……貴様らインターネットをやっているなァ~~~?」

「や……やっていません!」XX002がホールドアップした。「我々は偶然この場所を見つけて……旧時代の電子機器が沢山ありましたので、その……」「ほォーう」その者は黒帯を締めたメジャーゲニンだった。「UNIXテクノロジーで……インターネットはしていないと?」「ハイ、やっていません」

「フン……ならばオフライン無罪である」メジャーゲニンは顎に手を当て、アジトを見渡した。それから傍らの赤帯ゲニンを振り返った。「確認しろ。感じるか?」「は……只今!」赤帯ゲニンはこめかみに指を当て、集中した。XX002は息を呑んだ。赤帯ゲニンは目を見開く。「……オヒガンを感じます」

「示せ! どこだ!」「ムム……」赤帯ゲニンがダウジング棒を懐から取り出し、一地点を示した。ナムサン!そこには例の円柱形デバイスが!「これは!動かぬ証拠ではないか!」黒帯ゲニンが指さした!「やはりインターネットをしていたうえに虚偽まで! これは許せんなァ~~!?」

「どうか子供たちだけは!」XX002はその場にドゲザするために両膝をついた。ゲニントルーパーたちは残虐に目を細めた。その時だ! BRRRRRRTTTTTT!「グワーッ!」「アバーッ!?」銃弾の嵐がトルーパー目掛け撃ち込まれたのである! ナムサン! UNIXデッキが展開し、この時のために仕込んだ機関銃が!

 BRRRRTTTT! BRRRRRTTTT!「グワーッ!」「アバーッ!」蜂の巣になり次々に倒れるゲニン!「アバーッ!」赤帯ゲニンも撃ち抜かれ、死! だが、ナムサン!? メジャーゲニンは踏み留まったのである! 装束が引き裂かれあらわになった胸には「明智」の漢字が収まった円紋章! コクダカのパワーである!

「イヤーッ!」スリケン投擲! KRAASH! UNIX機関銃は一撃で破砕! 圧倒的カラテだ!「ウワアアーッ!」ヤバレカバレ! XX002がメジャーゲニンに組み付こうとする! だがメジャーゲニンはチョップを振り下ろし即死させる!「アバーッ!」悪童達は……「ウワアアーッ!」BLAM! BLAM! BLAM!

 彼らは隠し持っていた拳銃で一斉に攻撃した。メジャーゲニンは銃弾による即死は免れたが、もはや重傷。ついに倒れ込むメジャーゲニン! しかしトルーパーは全滅していない!「イヤーッ!」「グワーッ!」アレンがスリケンに斃れる! ザック達は逆上し、撃ちまくった。撃ちまくった……!


◆◆◆


 シグルーンは燃費優先速度を保っていた。今はマスラダが運転し、コトブキが後ろだ。「方角は正しいと思うのですが……正しいですね、多分」コトブキの声が明るくなった。獣道に過ぎなかった道路は徐々にくっきりとしてきた。やがてアスファルトによる舗装がはっきりした。

 彼らは川に突き当たった。「川です」「ああ」『理解可能。ネチャコ川です』シグルーンの電子音声が述べた。「シグルーン=サンは、とても知性が高いバイクですよ」コトブキが喜んだ。「ネチャコ川という事は、これを右手に見ながら進めば、いずれプリンスジョージの街に辿り着く計算です!」

 水面には川岸のモミジが映り込み、美しい。SPLASH! 彼らと並走するように、イルカめいて川の魚が跳ねた。しかし魚は硬い鱗に覆われており、獰猛な目が彼らを追った。「あれもカラテビーストなのかもしれません」「ふざけた話だな」「黒帯が見えた気がするのです」「放っておけ。どうでもいい」

「穫ればスシが作れるかも……」「バッテラはまだ十分ある」マスラダはシグルーンをやや加速させ、先を急いだ。プリンスジョージはフィルギアが指定した待ち合わせ地点だ。アスファルトはひび割れ、根が張っていたが、シグルーンのインテリジェント操車補助が転倒を防いでくれる。

 道中、逆さにひっくり返った無残なクルマを幾つか通り過ぎた。何年も放置され赤錆びた廃車は見飽きたが、そうしたものとは様相が違った。中には……ナムサン……運転席から死体の手がはみ出している無惨な車両もあった。「なんという事でしょう」コトブキは呟く。無関心を保てぬのだ。

「何かが引っくり返した」排気ガスを断末魔めいて吐く車両を通り過ぎたとき、マスラダが反応した。「いずれわかる。ろくでもない理由だろうがな」「気をつけましょう」……しかし、まず優先して注意すべきものが、後方から近づいてきた。激しい水音。そして雄叫びだ!「ホーッ!」「ホホーッ!」

 ナムサン! それはジェットスキーで水上を走る二人の白装束のゲニントルーパー! そして禍々しい黒漆塗りの高速ボートであった!「ホホーッ!」水上をバウンドするゲニントルーパージェットスキーは手をひさしにしてシグルーンを見やった!「胡乱な旅人を発見! バイク! これは生意気だなァー!」

「兄貴! 見てくだせえ!」ジェットスキートルーパーのもう一方がボート操縦者を振り返った。「オイランドロイドも連れてますぜ! コイツぁ生意気すぎるし最高のハンティングになりますぜ!」操縦者は黒帯メジャーゲニンである!「ハハーッ! いいぞ! アケチ水軍の威力を見せてやるとしよう!」

「イヤーッ!」「イヤーッ!」ジェットスキーのトルーパーは次々にスリケンを投げつける! マスラダは舌打ちし、シグルーンをジグザグに走行させる。スリケンが彼らをかすめる! アブナイ! マスラダは手を振り上げた。そして舌打ちした。スリケンを作り出すのにも難儀する。彼はスリケンを諦める。

「大丈夫ですか」コトブキが声をかけた。「何がだ」「ううん……色々です」「運転をかわれ」マスラダはバイクから、跳んだ!「イヤーッ!」コトブキは慌てて身を乗り出し、シグルーンのハンドルを掴む! そして回転跳躍したマスラダを見た!

「イ、イヤーッ!?」ジェットスキーゲニンは仰天しながらスリケンを投擲! マスラダはスリケンを蹴り払い、そのままジェットスキーゲニンの一人に強烈なトビゲリを食らわせた!「イヤーッ!」「アバーッ!」キリモミ回転! 水柱! 遥か後方へ置き去り!「イヤーッ!」さらに跳んだ!

「グワーッ!」隣のジェットスキーゲニンの側頭部を蹴りで打ち割り、更に跳躍! メジャーゲニンは目を見開く!「おのれェー!」BRATATATATA! 攻撃ボートがガス圧でスリケンを撃ち出す。カラテによって民を恐れさせるスリケン砲だ! だが既にマスラダは空中である!「イヤーッ!」

 KRAAAAASH! 踵落としがスリケン砲を破砕! メジャーゲニンは泡を食って席から立ち上がり、カラテを構えた。「貴様……何者……!」「ドーモ」マスラダは船の舳先でアイサツを繰り出す。合わせた手が、赤黒の火をひととき帯びた。「……ニンジャスレイヤーです」

「ド……ドーモ」メジャーゲニンはアイサツを返す。「アケチ水軍のメジャーゲニン、リキです。貴様さてはUCAの間諜だな? 死ね! イヤーッ!」チョップで襲いかかる! ニンジャスレイヤーは左手でいなし、右手を顔面に叩き込む!「イヤーッ!」「グワーッ!」

 メジャーゲニンは背に負ったカタナを抜いた!「イヤーッ!」だが!「イヤーッ!」船の揺れを利用するように屈み込んだニンジャスレイヤーは、強烈な後ろ蹴りを繰り出した!「グワーッ!」正中線を打ち抜かれたメジャーゲニンは水に叩き込まれ、胸のアケチ紋を光らせて爆発四散した!「サヨナラ!」

 噴き上がった水柱が遥か後方へ!「ニンジャスレイヤー=サン!」並走するコトブキが陸上から呼びかけた。攻撃ボートがコントロールを失い、炎上しながら転覆しようとしている。スリケン砲破壊の打撃が強すぎたか!「イヤーッ!」ニンジャスレイヤーは跳んだ。コトブキは速度を合わせる! 

 ニンジャスレイヤーはコトブキの後ろにタンデム着地した。シグルーンの車体が大きく傾いだが、インテリジェント操車補助は伊達ではない。『落下衝撃、理解可能です』すぐにバランスを取り戻した。「さすが賢いです」コトブキが感心した。

 それから表情を曇らせる。「問答無用で襲いかかってきましたね。アケチ水軍と言っていましたが……」「そういう連中なんだろう」ニンジャスレイヤーは沈みゆく攻撃ボートを後方に見送った。コトブキが前方を指差す。「あ!見てください。標識です!」「……」

 コトブキはシグルーンの速度を落とし、看板標識の前で停車した。「ようこそ。このさきプリンスジョー……ジ……」読み上げるコトブキの声が尻切れトンボに消えた。『地名ライブラリ更新を指示してください』シグルーンがアラートした。標識は赤いショドーで上書きされていた。「前線都市ヤマザキ」。


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