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パルプ小説の書き方(12):「宇宙空間でも爆発音はする」 (逆噴射聡一郎)

よくきたな。おれは逆噴射聡一郎だ。おれはこのオン・ライン講座を通し、一年近くパルプ小説の書き方を教えてきた。おまえは素手にパルプ小説を書くためのノウ・ハウをほぼ全て身につけ、あとは毎日練習し発表していくだけの局地へとたどりついた。ここからは世界とおまえの持久戦だ。

世界がおまえの作品の面白さに気づくのが先か、それともMEXICOの荒野を進むおまえの心の水が先に尽き果て・・・・途中にあったサルーンに立ち寄り1杯のつもりがついつい酒を飲み過ぎ、そのままいい気分で無料Wi-FI-のインターネットを始めて全く関係のないYOUTUBEザッピングにはまり・・・・・・やがて老いて小説も書かなくなり・・・・かわいい孫の結婚式の後、ミカン農園で家族に看取られて死ぬ・・・・・・。うまくタルサドゥームや毒サソリをかわして小説を書き上げたとしても、そのような罠が品質するのがこのメキシコの荒野なのだ。だがもし、サルーンで呑んだくれるおまえの視界に『練習しろ、毎日だ』と書かれた看板が・・・・目に入ったとしたら・・・・・それによって、おまえは真の男本来の世界に立ち戻れるかもしれない。それが名言の力だ。

逆噴射聡一郎先生プロフィール:社会派コラムニスト。昔からダイハードテイルズ・マガジンに時々寄稿してくださいます。当マガジン上にて「パルプ小説の書き方講座」を連載していただいています。

荒野に刻まれしMESSEZIを見逃すな

メキシコの荒野を行くお前の目から、周りには誰もおらず、まばらにサボテンの墓標が立っているだけのように見えるかもしれない。だが実は、サボテンの裏にナイフで言葉が刻まれていたり、からっぽのビール瓶にカサカサの手紙が詰められていたり、廃屋の乾いたレンガの間に日記帳が隠されていたりする。それは、お前よりも前にそのMEXICOの荒野をわたった真の男たちが、後続のために残したメッセージだ・・・・。おまえはWIZARDLYなどのダンジョンハクスラRPGをやったことがあるか? そうゆうゲームには、お前より先にダンジョンに潜った先達のアドバイスや謎の言葉が・・・・壁に刻まれていたはずだ。ダンジョンに潜るのは真の男と決まっている。このことからも、真の男は本能的にこうゆうものを残したくなる習性があり、サバイバルのうえで役に立つことが完全に証明された。今回のLESSONでは、おまえが作品を書きサバイバルを維持するために役立つ武器、名言について書く。

名言を装備しろ

MEXICOで毎日のモチベーションを維持するのは大変なことだ。誰からも相手にされなかったり、まったく的外れなプロデューサー気取りの批評とかにイラッとしたり、特に理由もなく恥ずかしくなったり、怖くなったりすることもある。今しがたINTERNETサルーンから出てきた酒臭いあほに襟首掴まれて小説に難癖をつけられビビってしまい、つらくなって、もう全部投げ出してしまった奴もいる。自分がそうされたのでなくても、他のガンスリンガーがそうゆう目にあって泣いているのを見て、こわくなり、自作を発表したいと思っても踏ん切りがつかないやつもいる。そして中には、黄金の輝きを放つ素晴らしい小説を書きあげたのに、その小説のささいな文法的な誤りとか、事実とのくい違いとかをネチネチ指摘されてビビったり、あるいはプライベートの何かで連鎖的に心がめんどくさくなったりして、ネットにUPしていたせっかくの作品を・・・・・すべてDROPしてしまうやつもいるのだ。こうなるとEND OF MEXICO・・・路地裏から出てきたダニートレホの投げナイフが刺さり、おまえの旅は終わりをむかえる。

何故こんなことになってしまったのか? それは、内的か外的かをとわず、一個一個はそこまで大したことではない(それでいてわりと精神力を使う)困難や問題に直面した時に、それぞれを「これはこうだからいちいち考えなくていい」「これはこうだから耳を貸す必要いっさいなし」「これはこうだから優先して毎日すべき」と撃ち抜いてパッパと切り抜けるためのノウハウを確立できていなかったから、いちいち長いこと考えすぎて、問題が積み重なって、心が疲れ果ててしまうのだ。

このような創作活動上の困難に直面した時、精神力そのものがチョー強くてタフなやつは、何があろうとまったくへこたれずに突き進んでいく・・・・・。だが、そんなやつは少ない。バンデラスですら、銃がなかったらブチョの手下に囲まれてころされるだろう。だからガチガチに装備を固めるのだ。ちなみに最強の武器は、おまえの中でのポリシーやアティチュードの明文化だ。時間はかかるが、ひとたび明文化すると、それはシュワルツェネガーが振るう鋼鉄の剣のように強くなり、タルサドゥームの銃弾をはじき返すことすらできる。しかし明文化していないと、そうゆう困難に出会うたびに、いちいち粗雑に剣を鍛えたり探すところから始めなくてはいけなくなり、完全に時間と精神力の無駄になってしまう。おまえはただでさえ貴重な時間を捻出してインプットやアウトプットにあてている。これ以上、おまえの時間や精神力を無駄にはできない。・・・ならばどうするか。最初は借り物でいい。装備を固めろ。剣を握れ。盾やタリスマンで身を守れ。銃やショットガンも役に立つから持っていけ。もしまだ自分の名言を明文化(STATEMENT)していないなら、最初は武器屋に売っているのとか、廃屋のレンガの間や床下に隠されていた真の男の銃を使え。・・・それが他のやつの名言だ。

ここからは、おまえが小説を書き発表し続ける上で役に立つかもしれない名言を、何個かまとめておく。由来とかを詳しく知りたければ、SIRIにでも聞いてみろ。


『おれの宇宙では出るんだよ!』/ Jルーカス

これはスターウォーウズの監督であるJルーカスの有名な言葉だ。8 mileでリリックを練りながらママと一緒に暮らしていたルーカスは、うらなり野郎にHIP HOPバトルを挑まれ「あのですね、宇宙は真空だから、宇宙船の爆発音とか、射撃の音とか、出ないはずなんですけど!!!」とかつっこまれたが、ルーカスはすかさずこのようなパンチラインで答え、オーディエンスはすごい沸いたとゆわれている。ルーカスといえば色々とめんどうな奴という評価が多いが、少なくともこれを言った時のルーカスは真の男だった。そもそも宇宙で音がどうとか、話の面白さと何にも関係ない。どうでもいい。キャプテン翼ではスカイラブハリケーンとかゆって人間を踏み台にジャンプしており、それは実際反則だが、現実にあの漫画を見て世界中の奴らが鼓舞されてサッカーをやった。今めちゃくちゃワールドカップとかで活躍したやつらもキャプテン翼を読んで夢を抱き育っている。いっぽう、「スカイラブハリケーンとか反則なんですけど」とか横から文句ゆってた奴はワールドカップとかで大活躍する奴らに夢を与えたか? 選手は育ったか? 何にも与えてないし、何にも新しい価値も創造できていない。このことからも必要以上にあれこれ言っていちゃもんつける奴は、ただ自分の知識を開陳したり、最近覚えたばかりの専門用語を使ってハシャギたいだけのようちなあほだと完全に証明されている。そんなのはほっておけ。おまえがその小説を作ったのだから、おまえが完全に正しい。何も作ってないでいちゃもんつけくる奴よりおまえが偉い。おまえは誰も見たことのない夢を作った。だからおまえが偉い。

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