……「何だ、何が起こっている！？」「ムハハハハ！　遅かったな！」チバの表情に余裕が戻る。隊長が暴徒制圧用ショットガンを構えて廊下に飛び出した。直後！

「イヤーッ！」「グワーッ！？」ナムサン！　「死」と書かれた黒ハチマキのニンジャが現れ、機動隊長の腹にカタナを突き刺したのだ！　鋭い刃がケンドー型装甲服の継ぎ目を巧みに貫通！　血飛沫がスプリンクラーめいて撒き散らされた！「グワーッ！」「だから言ったろう、クズめ！」少年は涼しい顔でソウカイヤ紋の扇子を開き、笑う！
　
「グワーッ！　ホ、ホールドアップしろ！」機動隊長は驚異的な精神力でショットガンを敵に向け、至近距離でトリガを引く。ＢＬＡＭＮ！　だがニンジャは紙一重のブリッジでこれを回避。タツジン！

「おい、こっちだぜ」背後から別の声！「アイエッ！？」隊長が後ろを振り向くと、凶悪なメリケンサックを両手に嵌めた別のニンジャが、殺人カラテを構えていた！「イヤーッ！」痛烈なカラテフックが、機動隊長の首を二七〇度回転させて殺す！「アバーッ！」サツバツ！　彼らは十人のケンドー機動隊員をわずか四十秒で皆殺しにしたのだ！

「「イヤーッ！」」見事な三連続側転を決めて入室する二人のニンジャ！　装束にはソウカイヤの紋が見える。どちらも邪悪な面構えだ。「ドーモ、デッドラインです」「ドーモ、アイアンフィストです」「遅いぞ、ケジメものの遅さだ！　まずはドゲザしろ！　ぼくの気がすまん！」チバは扇子でぴしゃりと彼らを指した。

「おやおや、こいつはシツレイしました。威勢のいい事ですなあ、坊ちゃん」にやにやと笑うデッドライン。チバは眉根を寄せる。何かがおかしい。想定外の反応だ。「おい貴様ら、ぼくをナメているのか？」「俺はソウカイヤ旗を探す。相棒、お前はハンコを探せ」アイアンフィストはそもそも聞く耳持たず、コケシ箪笥をおもむろに開き、中身を漁り始める！
 
「勝手に何をしているか、サンシタめ！　セプクだ！　直ちにセプクしろ！」チバは顔を真っ赤にして激高し、扇子を投げつける。だが、「イヤーッ！」アイアンフィストはそれを軽々と掴み、くしゃくしゃに握りつぶして後ろに放り捨てたのだ。「……チバ＝サン、あんまり俺たちを怒らせない方がいいんじゃないですかねえ」デッドラインはチバを見下ろし、笑った。


 −【ライズ・オブ・アマクダリ】より