パルプ小説の書き方(実践編6):「アイデアを出し惜しみしてるやつは腰抜け」(逆噴射聡一郎)
【承前】
よく来たな。逆噴射聡一郎だ。おれは毎日すごい量のテキストを書いているが、だれにも読ませるつもりはない。
逆噴射聡一郎先生プロフィール:社会派コラムニスト。昔からダイハードテイルズ・マガジンに時々寄稿してくださいます。当マガジン上にて「パルプ小説の書き方講座」を連載していただいています。
おれはこのまえ、好きなところから書けという話をした。好きなところから書きでもしないと人間は小説を完成させることなど到底出来ないということだ。普通の人間が小説を書こうとすると、フロドが冒険に出る前にパイプ草の説明をしてボルジャーが風呂の水を溢れせたあたりでモチベーションがゼロになりお蔵入りとなる。あるいは書いてる途中でタルサドゥームの誘惑に負けてYoutubeでザッピングを始めてしまうからだ。書き上げられないのはなぜか? 本気で書いてアウトプットできていないからだ。本気とはなにか? おまえの脳の中に今入っているものを全部ぶち込んで書くとゆうことだ。そしてそれをインターネットというMEXICOに放流するとゆうことだ。
出し惜しみするやつは腰抜け
これまでも何度か書いてきたが、今回おれがはっきり言っておこうと思うのは、「アイデアを取っておくな」ということだ。出し惜しみせず、すぐ使え。だいたいの場合、小説を書こうとするやつはアッと驚く設定やギミックがピピッと飛んできて、「これはすごいアイデアが生まれた! 誰にもまだ発明されていないものすごい世界設定で画期的な主人公像だ!」となる。そして、ここからが問題だ。
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