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【帝都探偵奇譚 東京少年D団】キャラクター紹介2:明智小五郎

28歳。知能指数120〜360。明智探偵社の社長。上等な外国製スーツを着崩し、ぼさぼさの髪に無精髭。ワイルドでぶっきらぼうな物腰。アルセーヌ・ルパンすら出し抜く最強の名探偵。恵まれた体躯と明晰な知性を備え、社交界きってのプレイボーイとしても知られている。大胆で細かい事を気にしない野生派のタフガイと思わせて、その心の奥底で火花を散らす思考は極めて冷静かつ理論的である。

「新聞で逐一読んでいたぞ。お前、俺がいない間、だいぶ派手にやっていたようじゃないか。いたずら小僧め」


カラテと知能指数ブーストで悪を討つ伝説の名探偵

明智小五郎! その名をご存じない方は少なかろう。彼は「D坂の殺人事件」をはじめとする江戸川乱歩の諸作品にしばしば登場し、高い知能指数と推理能力を読者に見せつけてきた。日本のエンタテインメント文学史においても、彼をモチーフとするキャラクターも歴史上枚挙にいとまがない。アルセーヌ・ルパンすらも、明智小五郎に勝つことはかなわなかった。まさに日本屈指のヒーローである。 

明智小五郎の知能指数は120~360であり、平常時は120。250で高止まりしている小林少年と違い、オーガニックな変動型だ。平常時に無駄な知能指数を抑える事で、本当に必要とされる時に、瞬発的に超人的な知能指数を引き出す事を可能にしているのだ。あまり知られていない事実であるが、我々人類の知能指数が高くスパークすると、雷光、発火などの物理現象すら引き起こす。漫然と知能指数を上げることは極めて危険なのだ。

また勿論、瞬発的な知能指数のブーストは、当然ながら探偵の肉体とニューロンに多大な負担を与える。出血や肉体の疲弊などの副作用があらわれるため、長時間の超高域知能指数行動は不可能なのだ。エジプト煙草などの神秘的な薬物を使って安全に知能指数を上昇させることも可能だが、戦闘時などはそうもゆかない。精神集中と脳内物質の力だけで、自らの知能に負荷をかけねばならないのである。明智小五郎が小林少年をスカウトした理由のひとつには、自分と全く異なるタイプの高域安定型知能指数の持ち主であることが挙げられるだろう。この二人が互いの弱点を補い合うことができれば、いかなる状況にも対応できるからだ。

なお江戸川乱歩の原作シリーズにおいても、明智小五郎は柔道の高段者であり、また怪人二十面相と同様にフォースのような催眠術を用いる。ここからも、探偵とは我々の理解を遥かに超えた、魔人の如き人々であることがおわかりいただけるであろう。


豪放磊落、稀代のプレイボーイ

理知的で、スーツを折り目正しく着こなし、髪をぴったりと撫でつけた頭脳紳士……世間一般がイメージする明智小五郎のパブリック・イメージであるが、実物は違う。海外からの依頼や、時には大日本帝国の秘密外務ミッション等を帯びて西欧諸国と日本を忙しく行き来している彼は、先進的で国際的な開明的価値観を身に着けている。その歯に衣着せぬ物言い、民主主義への深い理解、自由奔放な立ち振る舞いに戸惑う者も後を絶たない。カラテで培われた引き締まった肉体、野性的な美貌が国際的な華やかさと結びついて美的化学反応を起こし、知能指数の相乗効果によって、その魅力は危険水準にまで高まる。

一方で、彼が極めて女好きのプレイボーイである事も事情通の間ではよく知られており、名士たちは自分の大切な箱入り娘が明智に熱をあげる事を苦々しく思っている。ただ、それが明智小五郎の真の姿であるかどうかを知る者は少ない。事実、明智小五郎には妻の文代がおり、その関係は良好そうに見える。プレイボーイの如く振舞うのは、敵対者にあえてわかりやすい弱点を見せつけ油断させるための策であるのかもしれない。彼ほどの高い知能指数を有する探偵であれば、自らの中で複数の人格を使い分けることなど容易かろう。


小林少年からの強い尊敬

美少年・小林少年が心の底から尊敬している男は、この明智小五郎に他ならない。輝かしいキャリアと知能指数とプライドに支えられ大人顔負けの活躍をする小林少年であるが、どうしても師匠である明智小五郎には一歩及ばないのだ。初対面時、小林少年はこのルールの埒外に存在するアウトローじみた男に対して、明らかな不快感と反発を示していた。だが数々の難事件の解決などを経るうちに、明智小五郎という男に対する強い信頼とリスペクトを持つに至ったのだ。また小林少年は明智探偵社に住み込みで働いているため、妻の文代とも面識があり、良好な関係を築いている。

明智小五郎の変動する知能指数は最大時に360にも達する。知能指数250の小林少年ですら、最大知能指数時の明智小五郎の手にかかれば、相対的には見た目通りのかわいらしい美少年そのままになってしまうのだ。


なかなか現れない!

本書のサブタイトルは「明智小五郎の帰還」であり、明智小五郎が帰還するところから物語が始まるとお考えの読者諸氏もおられたことだろう。だが、違うのだ! 本書の主人公は小林少年であり、敬愛する名探偵明智小五郎の実際の登場はかなり後だ。前半部においては「名前だけが登場するが不在の明智小五郎」というギミックで物語が進行していく。その存在感の強度は人づての語りによってジワジワと蓄積し、読者諸氏は期待を一度裏切られすらしながら、待望を強めていく。そしてじらしにじらした挙句、待ってましたとばかりに颯爽登場するのである。


二十面相との息詰まる知能指数対決

明智同様に変動知能指数を持つ怪人二十面相との戦いは極めて熾烈だ。彼らはしばしば椅子に座った状態で対面し、会話を行いながら知能指数をブーストさせ、ぶつけ合う。お互いの知能指数上昇が、相互反射によるさらなる上昇を見せるさまは、まさに相乗効果の極み。高まり過ぎた知能指数は周囲に火花や電光を散らす。ただ高いだけで危険な知能指数は、二人の者がぶつけ合う事でますます危険な事象となるのだ。諸君、決して安易に二十面相と明智小五郎の知能指数をぶつけ合わせてはならない!


生真面目すぎる少年と、不真面目な大人

前回のキャラクター紹介で皆さんは、「東京少年D団」の主人公である小林少年の有能さについて、そして危ういほどに生真面目な彼の性格について読み取ったはずだ。「東京少年D団」における明智小五郎は、有能だが子供ゆえの脆さを持つ小林少年のメンターとなるべき、極めてバランス感覚に優れた、いい意味での「不真面目な大人」である。彼は小林少年がまだ有していないユーモア精神も持ち、行動の端々からも人間としての懐の深さが伺える。

明智小五郎は世界中を飛び回って見識を広げているため、当時の日本人の水準から見れば極めて大局的かつ現代的な視点で、1920年代帝都東京のありようを俯瞰している。明智小五郎の知能指数は既に、この蒸気と戦争好景気と暗黒格差社会の先に広がる、混沌の暗闇を見通しているはずだ。


次回の紹介記事は、怪人二十面相!

果たして明智小五郎と小林少年という二人の探偵の知能指数は、この経済という巨大な魔物に呑まれゆく帝都に、いかなる光をもたらすのであろうか? その答えの一端を知るために、次回のキャラクター紹介では、明智小五郎と対極に位置する猟奇犯罪の王、「怪人二十面相」について皆さんにご紹介しよう!


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