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【日報】おまえはキューカンバー・スマッシュを食って急場をしのげ(逆噴射聡一郎)

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よくきたな。おれは逆噴射聡一郎だ。おれは毎日ものすごい量のテキストを書いているが誰にも読ませるつもりはない。だが今日は特別に、真の男のための夏の非常食であるキューカンバー・スマッシュのレシピをおまえに教えることにした。

調理器具は一切使わない。おまえは今頃どうせ夏バテとか5月病のせいにしてキッチンのはるか奥深くに封印されしガスパチョ用のミキサ=調理器すら取り出すのがおっくうとゆう状態だろう。シンクには使いっぱなしの食器やナイフが放置され洗う元気すらない。おれは全てをお見通しだ。だからキューカンバー・スマッシュを作るために調理器具は一切必要ない。おまえはこれを食って、今すぐタフな真の男本来のタフさを取りもどせ。今すぐにだ。

逆噴射聡一郎先生プロフィール:社会派コラムニスト。昔からダイハードテイルズ・マガジンに時々寄稿してくださいます。


キューカンバー・スマッシュとは何か?

おまえはもしかすると、キューカンバー・スマッシュをその辺のコンビニやUBER-I-TSUのMACデリバリーなどで手に入れられるチンケな代物だと思っていたかもしれない。だがそれは大きな間違いだ。キューカンバー・スマッシュとは、その辺のお店には売っていない真の男のための非常食であり、おまえが自分自身の手で生み出さねば意味がない。いいか、よく聞け。キューカンバー・スマッシュを作るためには、小洒落たキッチンもインスタ映えする調理器具もブルックリンメトロ風のキッチン壁も必要ない。必要なのは・・・・おまえ自身の拳だけだ。

おまえが必要としないもの全て


真の男のためのキューカンバー・スマッシュ食材リスト

◎必要な調理器具
・ジップロック(薄いビニールはおまえの力に耐えきれない)
・拳(真の男であるおまえ自身の拳だ)
・テキーラ瓶(拳や握力に自信がある場合は使わない)

◎買ってくる食材
・キュウリ:1〜2本
・ニンニク:1粒
・化学メキシコ(ドリトス)

◎調味料
・オリーブ油
(エクストラバージン)
・塩


🥒調理器具に頼るやつは腰抜け✊

真の男は調理器具などに頼らない。MEXCIOの荒野を彷徨う荒々しき狼 -WOLF-を想像してみろ。狼はスマッホなど見ないしミキサーも使わない。ローンを組めないからそもそもスマホを持ってない。そうゆうハングリー精神を思い出せ。狼の爪と牙はただ獲物を狩り殺すためだけに存在し、スマッホやSIRIを使うためなどではない・・・。狼はただ、自らの肉体により獲物を狩りころし、喰らう。・・・そうゆう野生の本能を研ぎ澄ます事こそが今のお前には何よりもじゅようなのだ。夏バテに対抗しようとする時、一番大切なのはガッツだ。栄養価とかカロリ0とかは二の次だ。暑いからと言ってコンビニ食やマックポテトとかで適当にカロリーばかり取ってるとさらにガッツは失われてゆき、小説を書こうとゆうやる気や知性も失われ、代わりに贅肉と誤字脱字だけが増えてゆくだろう。やがておまえは創作意欲すらも失い、些細な誤字脱字とか誤用とかをTwitterのやつらに指摘されて何もかもが恥ずかしくなり・・・・・今まで作った作品とかを全部非公開にしてアカウントを鍵付きにしたりしているうちに・・・その辺にあるサボテンのとげにささってしぬ・・・・・・END・・・OF・・・MEXICO・・・・。これも全ては、おまえが夏バテを甘く見たために起こった事態だ。しかしガッツが戻れば、おまえはまたメシを食って創作の力を漲らせ、完全食であるガスパチョすらも作って、過酷なMEXICOの夏に立ち向かうための力が湧き上がってくるだろう。真の男にはそうゆう風に、何度打ちのめされても再び立ち上がるための力が本来備わっている。それを取り戻すための非常食が、このキューカンバー・スマッシュなのだ。高価な調理器具や小ぎれいなキッチンがないと何もできないような腰抜けになるな。真の男になれ。


キューカンバー・スマッシュの作り方

1:キュウリをへし折る
おまえがまず最初にやるべきことは、キュウリをよく洗ってから2つにへし折ることだ。ヘタの部分が気になるなら、奥歯でかみちぎって捨てろ。こんなキュウリていどの相手にはナイフなど出す必要はない。おまえはMEXICOに生きる狼だ。その体に宿りし野生の殺傷能力を高めていけ。

2:キュウリをジップロックに入れろ
へし折ったキュウリを、ジッぷロックに入れろ。おまえが2本キュウリを用意していたとしたら、この時点で・・・・4本になっている・・・・。もう1本いけそうだなと思ったらもう1本へし折って追加しろ。


3:スマッシュしろ

おまえ自身の拳でキュウリを殴りつけろ。キュウリはどうなった? 粉々になった。おまえ自身の拳に宿りし破壊の力によってだ。おまえは驚くだろう・・・・忘れていた真の男としての自尊心と知性が、キュウリを砕くことによって徐々によみがいってくる。だいたい1かけらが8個くらいに割れたらそれで十分だが細かい方が好きならもっと殴って粉々にしてもいい。

4:ニンニクをジップロックに入れろ
ここからが本番だ。ニンニクを1粒入れろ。ニンニクは当然ながら皮をむけ。ニンニクが苦手なやつは入れなくてもいいが真の男はなるべく入れろ。

5:テキーラ瓶の底で殴りつけろ
おまえはニンニクの粒をパンチや握力で粉砕できるだろうか? まず無理だろう。真の男でもニンニクは硬い。おれがむかしMEXICOの危険なサルーンでナイフを持ったあほと戦った時も、むりせずその辺のテキーラ瓶を即席の武器としてつかった・・・・・・。だからおまえも無理をせず、ニンニクはテキーラ瓶で叩いてつぶせ。ただし、瓶を使うときは底を使え。横で叩くと瓶が割れるからだ。知性を働かせろ。瓶の底で注意深くゴンゴン叩け。

6:味付けしろ
ニンニクが砕けたら、袋にオリーブオイルを入れて、ニンニクとキューカンバーを振って混ぜ合わせろ。味付けは塩だ。マックのシャカシャカポテトみたいに混ぜろ。オイルは少し多目がいい。何度でもいうが、ここで使うオリーブオイルはエクストラバージンの、少しいいやつを使え。油の色が薄くて、それだけ舐めても旨いようなやつだ。間違っても濃い緑色のやつとか炒め用のやつを使うな。


これだけで完成だ。大量に作って冷蔵庫に寝かしておけば、ニンニクのどぎつさは消える。だがおれは破壊したばかりの生々しいキュウリとニンニクをすぐに食うことを好む。

キューカンバー・スマッシュの食い方


1:炭水化物と交互に食え
これでキューカンバー・スマッシュが完成した。皿に盛り付けてもいいし、チョップステッックやフォークを使って、ジップロック袋から直接食ってもいい。これは非常食だから可能な限り使う食器を減らすことを考えろ。キューカンバー・スマッシュはチョーウマイし、叩き潰した生ニンニクの風味にも助けられ、おまえは無限にそれを食うことができるだろう。だが重要なのは、こればっかり食ってるあほはしぬとゆうことだ。

夏バテの原因とは、暑さのせいで弱って食欲がおち、なにも食えなくなってさらに弱ることなので、リカバーするにはとにかくガッツがつくものを食わねばならない。そしてガッツだけ食ってるやつはしぬ。キューカンバー・スマッシュは食欲を増すためのただのブースターであり、おまえはブーストした食欲をちゃんとした炭水化物によって慰めなくてはいけないのだ。

ちゃんとした炭水化物とはなにか? 答えはドリトスだ。ドリトスのメキシカンタコス味(赤いやつ)には、トウモロコシ、トマトパウダー、オニオンパウダー、ライムパウダーなどの化学メキシコも大量入っている。それはどゆことか・・・・? 真の男であれば野生の缶と高度な知性によってすぐにわかるだろう。これをキューカンバー・スマッシュに組み合わせると即席のガスパチョになり、図らずもおまえは完全食品を手にしたことになるのだ。


2:生ニンニクを食い過ぎるな
油と混ぜた生ニンニクは危険なしろもので、たぶんドラッグだ。おまえが初めて体験するなら、そのウマさに度肝を抜かれるだろう。しかし、その数分後におまえは後悔することになる・・・・。なぜなら生ニンニクはめちゃくちゃ胸焼けするし、消毒効果があるものの雑菌とともに町内細菌すらも皆殺しにしてしまう。

生ニンニクとはいわば危険な殺しやといっても過言ではなく、バンデラスだけ殺してこいってあれほど言われたのに仲間までも見境なく投げナイフで殺しだす・・・・いわばダニートレホのような存在といっても過言ではない。つまり生ニンニクとはトレホくらい危ない狂犬であり諸刃の剣とゆえるだろう。砕いたトレホは風味づけくらいにしておき、無理して全部食うな。


3:ニンニクがないときはゴマ油にしろ
ニンニクが手元にないと、若干このレシピのパンチが弱まってしまう。こうゆう時は、オリーブオイルではなくゴマ油を使え。しかしゴマ油は危険なブードゥーだし、ドリトスとも合わなくなってしまう。ゴマ油とキュウリがチョーウマイのは認めるが、おれはあえてニンニクとオリーブにする。



ガスパチョも作れ

おれは以前、ガスパチョの秘伝レシピも公開した。今回のキューカンバー・スマッシュ記事は、暑さのせいでガスパチョも作れないくらい元気がなくなっているおまえのために書いたものだ。だからキューカンバー・スマッシュを食って元気が出たら、次はガスパチョにいどめ。


キューカンバー・スマッシュで真の男になれ

おれが冒頭で口にした「レシピ」とゆう言葉に対し、脊髄発射で拒否反応を示した奴もいるだろう。そうゆう腰抜けはすぐに「そんな! 料理とか・・・レシピとか・・・・絶対無理ですよ・・・・!」と決めつけ泣きごとをゆって、即バックボタンを押してバックレてる頃だろう。だがおまえは腰抜けではなかった。なぜならここまで読んでいるからだ。

それでもおまえにはまだ、一抹の不安がくすぶっているのかもしれない。かつては荒野に生きる一人前のガンスリンガーだったはずのおまえも、スマッホ1こで何でも解決させようするタルサドゥームの罠にはまって「おれには自分では何ひとつ価値あるものなど生み出せない・・・・消費するだけさ・・・・・」などとゆう錯覚に陥っているだけだ。そして今日・・・・それは間違いであったと完璧に証明される。

おれのいいたいことは以上だ。おまえは今すぐスーパーに行って食材を買ってこい。そしてキュウリを砕いて食らい、初夏の暑さによって奪われた体力を取り戻せ。真の男であるおまえ自身の拳によってだ。

(逆噴射聡一郎)


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