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【プラグ・ザ・デモンズ・ハート】#5

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 インターフォンに応答したのは年端も行かぬ娘の声だった。正しく大人に取り次がれるか、やや不安があった。

「先生……」

 ブルーブラッドはフルフェイスヘルム越しにリー先生を見た。ブルーブラッドはオーストラリアの強烈な日差しを嫌い、革手袋とヘルメットすら用いて、完全な防備を試みているのだ。彼の白衣は血に染まり、皮手袋の指先は破けていた。一方でリー先生は彼とは対照的に、きれいなものだ。彼はリズムを取るように右足をパタパタと動かしていたが、一秒遅れてブルーブラッドの問いかけに気付いた。

「ン? 何かね? トリダ君」

「実際どうお考えですか。先生の仮説が確かめられた場合、それまでの仮説の立て直しが必要となりますね」

「その通り! 針葉樹の一本を発見する事は、その後ろにあるフジサンの巨大樹海の示唆でもある! この目で確かめ、判断する必要があるねェ! それは存外の喜びだよ!」

「お、仰る通りです!」ブルーブラッドは勢い込んだ。「ぼくはあらゆる危険から先生をお守りしますよ! 命を懸けて……!」

 ガゴッ! そのとき彼らの目の前でシャッターめいたドアが開き、闇の中から凶悪なショットガンの銃口が、ぬうと現れた。そしてゴーグル武者兜を被った男が進み出たのだ!

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