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【ザ・ビースト・オブ・ユートピア】#4

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 ヘクサーは深呼吸した。この「セッタイ待合室」から外部と話をする際に用いるインタフォンUNIXのパネルを、一息のキアイでこじ開ける。モーターオトモがLANケーブルを飛び出させ、非常用のLANポートに直結した。

「ヌンヌンヌンヌン……」

 モニタに01ノイズが流れた後、「メンテナンス重点」のミンチョ文字が表示された。ヘクサーは両手をかざしてホームポジション姿勢を取り、エアタイピングを行う。パワリオワー。命令が受け付けられ、モーターオトモは直結を解除した。

 UNIXモニタには、タタミの上でアグラするヘクサーを斜め上から見る映像が映し出されている。ヘクサーは頷き、監視カメラに向かって両手でファックサインした。映像のヘクサーはアグラを継続していた。ループ映像だ。それからヘクサーは無雑作に扉を手で開いた。なんの抵抗もない。

 ヘクサーは廊下に進み出た。肩のあたりにモーターオトモが浮かび、ついてくる。

『ナビゲーションしますか、ヘクサー=サン』

「必要ない。他にやることもないんで、暗記してしまった」

『前方に生体反応があります』

「それもわかってる。必要ない」『重点な』

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