パルプ小説の書き方(11):「椅子とPCがおまえを真のPROにする」
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パルプ小説の書き方(11):「椅子とPCがおまえを真のPROにする」

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よくきたな、おれは逆噴射聡一郎だ。おれは毎日ものすごい量のテキストを書いているが、だれにも読ませるつもりはない。今回の講座には、おまえがパルプ小説を書きメキシコの荒野を生き抜くうえで必要なPRO装備や、不足しがちなものをまとめておいた。

逆噴射聡一郎先生プロフィール:社会派コラムニスト。昔からダイハードテイルズ・マガジンに時々寄稿してくださいます。当マガジン上にて「パルプ小説の書き方講座」を連載していただいています。


おれの経験から、メキシコという荒野で生き残ろうとする時に発生しがちな「不足」には、大きく分けて3種類がある。1つめは、おまえの作品の根幹ともいえる「軸の不足」だ。これは良質な大量のインプット経験を続け、さらに毎日アウトプットも続け、時代にチューニングを合わせ続けることでしか満たすことはできない。軸や信念の太さとは、いわばメキシコに生きるバンデラスの肉体そのものと言えるだろう。2つ目はおまえのアウトプット効率を左右する「装備の不足」であり、予測変換機能付きのスマッホでパルプ小説が書けると思ってるような奴は、遅かれ早かれMEXICOでのたれ死ぬ。いくらバンデラスでも、その肉体に頼りきり銃を持たずに敵に突っ込んでいけば、ブチョの手下やダニートレホに囲まれてナイフが刺さって死ぬことが証明されている。そして3つ目は、サボテンの影に潜むサソリのように狡猾に忍び寄って、おまえの日ごろのパフォーマンスを落としたり寿命を縮めたりする「睡眠不足」だ。

他にも食物繊維やミネラルや社会保険などいろいろ不足しがちなものはあるが、そういう細かいものはMEXICOでサヴァイヴし続けていれば自然と手に入るものなので、まずはここで挙げた3つの不足を意識的に補うといいだろう。なお「軸」については、おまえは既に真の男なので、特に何も書くことはない。今回の講座では、おもに「装備」についてまとめてある。


PRO仕様の装備は本当に必要なのか?

とうぜん必要だ。しかし「弘法筆を選ばず」という古の言葉から、おまえは弘法本人でもないくせに脊髄発射的に「なるほど、道具にこだわるのは腰抜けなのか」「むしろ安くて悪い道具を使って苦労するのがパンクであり真の男なのか」などという誤った結論を導き出しがちだ。それどころか、周りの目を気にして「高い道具とかは僕が本当にプロになってからでいいよ・・・。まだプロじゃないのに高い道具を使ってたらバカにされちゃうよ・・・!」などと考える腰抜けもいる。

だがこれはどちらも完全な過ちであることが、おれの入念なリサーチから明らかになっている。「弘法」(能力値5)が「普通の筆」(+1)ではなく「いい筆」(+5)を使ったら、もっといい作品ができるに決まっているだろう。そして能力値が1とか2のやつは、最初は「いい筆」を使わないと勝負にならないだろう。これは小学生でもわかる足し算の問題だ。それでもわからない奴は「普通の筆」をナイフに、「いい筆」をロケットランチャーに読みかえてみろ。装備は重要だ。この過酷なMEXICOでは、いい装備が手の届くところにあるならば、それを貪欲にゲットしていく姿勢が求められている。そうしなければ、おまえはこのインターネット時代に生き残れず、すでにエスタブリッシュしているBIG BROたちのところには一生かかっても辿り着けない。こうした装備やテクノロジーは、挑戦者が牙をむくための武器だ。躊躇なく使っていけ。

おまえはこれからインターネットという過酷なサバイバルのメキシコを舞台に、PROと同じ土俵で戦わねばならない時が到来する。PROの連中は当然ながらPRO仕様の武器で戦っているのに、これからPROになろうとしているおまえが質の悪いチンケなGUNで戦おうとすれば、何が起こる? 真のPROほど実は装備にこだわっているというのにだ。おれは弘法に会ったことがないので確かなことはいえないが、このことわざすら、名声をエスタブリッシュした弘法が、後続を蹴落とすために詠んだものかもしれない。そうすることで、後続の連中はPCを使うことに気後れを感じてスマッホで小説を書こうとし、先行逃げ切りした弘法は労せずしてSUCCESSを維持できるとゆわけだ。おれはそのくらい全てを疑っていく姿勢だ。

これらの事実から目を背けて「いつかちゃんとした環境について考えよう」「いつか不足したものを補おう」とか言っている奴ほど、いつまでもその時は来ないという事例を、おれは今までいくつも見てきた。PROになるとさらに忙しくなるため「いまは忙しいので、忙しいのを抜けたらちゃんとしよう・・・」となり、永遠に終わらないのだ。そのうちに作業環境の悪さの中でおまえは体調を崩し、タイピングさえも錆付き、サルーンで管を巻くようになり、行きずりのベイブと恋に落ちて・・・・子供ができ・・・・・年老いて・・・・・・・オレンジ農園を運営しながら、家族に囲まれて死ぬ。なぜこんなことになってしまったのか? その答えは明白だ。おまえが不足を意識して補わなかったからだ。ちゃんとした椅子とかキーボードを買わずに、無駄に疲れていったからだ。正しい漢字も書けなくなっているのに、寝ようとしなかったからだ。

荒野で生き抜く真のガンスリンガーには馬と銃が必要であるのと同じように、おまえにはPRO仕様の椅子、そしてPCが必要だ。


PRO仕様の椅子

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