マガジンのカバー画像

ニンジャスレイヤーPLUS

1,605
サイバーパンクニンジャ小説「ニンジャスレイヤー」の連載まとめに加えて、書下ろしのスピンオフエピソード、コメンタリー、資料集などがまとめられたマガジンです。PLUS系のメンバーシッ… もっと読む
運営しているクリエイター

2022年6月の記事一覧

【アイアン・アトラス・プレジデント!】#2

1 ← 2「ズルッ! ズルズルーッ! ズルズルーッ!」 「ヌウウ」  24時間営業ソバ・スタンド店内、パーティションで仕切られた手狭なカウンターで、横ではみ出すアイアンアトラスの巨体とソバ啜り音に圧迫感を感じながら、ヨロシ・サトルはテンプラ・ソバをぎこちなく食べていた。

S4第6話【アシッド・シグナル・トランザクション】分割版 #4

3 ← 「ヨウナシ=サン。辛抱しろよ。俺に任せろ。絶対に助けるからな。少しだけ我慢してくれ」ザナドゥは背中で気を失うヨウナシに声をかけた。一瞬後、横からフェイスレスがタックルをかけてきた。「イヤーッ!」「イヤーッ!」ザナドゥは跳んだ! そしてシダ植物めいた巨大樹をトライアングル・リープ! 「イヤーッ!」「イヤーッ!」高く飛び上がったザナドゥは、眼下の駐車場にフェイスレス達が走り出てくるさまを見下ろし、肝を冷やす。「だが遅いぜ。イヤーッ!」ザナドゥは「注射習慣」のネオン看板

【ジ・アブソリューション】#5

【ジ・アブソリューション】#5  いまやジョルジュ、エリック、クロマら三人の心は、イブンの仇打ちによって繋がれていた。三人はただ視線を交わすだけで、互いの意思と覚悟を読み取ることができた。エリックは怒りに任せ、ニンジャの寝床へすぐに夜襲をかけることを提案したが、クロマがこれに反対した。  ジョルジュは奥ゆかしくクロマに教えを請うた。クロマはすぐれた体躯を持つ初老の剣豪であり、奇妙な一本足の下駄を履いていた。彼のイアイドーの腕前は未だ衰えておらず、自らはヘイケ・クランの若君

S4第6話【アシッド・シグナル・トランザクション】分割版 #3

2 ←  フジキドが残した情報素子から取り出され、コトダマ空間に解き放たれたそれは、通常、記憶端末には到底収められぬであろうほどに高密度の、不穏な球体であった。言葉が幾億幾兆にも層を為し、ナンシーの眼前で、ゆっくりと回転している。  インターネットとは、後世の文明がオヒガンの原理を部分的に解釈したものに過ぎない。圧縮プログラムとは古代魔術の不完全な再現である。エジプト魔術の秘奥義に通じたセトのインターネットは現代人を遥かに凌ぎ、データ圧縮技術もまた然り。ナンシーのこめかみ

【ネヴァーダイズ 5:ダンス・トゥ・ツキ・ヨミ】

この小説はTwitter連載時のログをそのままアーカイブしたものであり、誤字脱字などの修正は基本的に行っていません。このエピソードの加筆修正版は上記の書籍に収録されています。現在第2部のコミカライズがチャンピオンRED誌上で行われています。 第3部最終章「ニンジャスレイヤー:ネヴァーダイズ」より 【5:ダンス・トゥ・ツキ・ヨミ】  旧世紀の「暗号破り」が、地の底の動脈のごとき回線を通して、ジグラットへと流れ込んでいた。遅効性のウイルスがアルゴスを攻撃し、その目である監視シ

【バトルグラウンド・サツ・バツ】9

8 ←

有料
200

S4第6話【アシッド・シグナル・トランザクション】分割版 #2

1 ← 「……そうか。ここは……」ザナドゥはオリガミを見つめ、数秒の間、喫緊の目的を忘れかけた。これは実際ザナドゥが興味を持って追いかけていた正体不明のストリート・ランドマーク、「動かせず、動かず、壊れないオリガミ」のひとつだった。

S4第6話【アシッド・シグナル・トランザクション】分割版 #1

シーズン4目次 ← 第5話【デストラクティヴ・コード】 ← 1 緑の海には昼も夜もなかった。薄い色の空に静かにとどまる黃金の立方体の輝きが、時間を消した。風は数字の「0」と「1」の可視のノイズを含んで、地衣類じみた緑に覆われたビルの狭間を吹き抜ける。0の発見とはすなわち、古代人が人類以前の名状しがたき神秘にアクセスした瞬間であったのだろうか。  誰も知らぬ決定的なあの瞬間、凄まじい緑が放射状にネオサイタマを呑み込んだ。巨木が摩天楼の狭間に生え出で、天を衝き、埋め尽くした

【アイアン・アトラス・プレジデント!】#1

1「CEO」 「……」 「CEO?」 「……まずい……」 「CEO! 落下時刻です。CEO!」 「ンンッ?」  圧迫感のある夢から覚醒したヨロシ・サトルCEOはまず、己の見ていた夢の内容を思い出そうとした。しかし、その暇はなかった。彼のすぐ隣に、秘書のナインの緊迫した表情があった。  サトルは奇妙に思った。ナインは降下スーツに身を包み、ハーネスを装着している。それから己の姿を認識した。彼もまた降下スーツを身に着けている。次に、揺れと速度感を認識する。そして己を取

インタビュー・ウィズ・ニンジャ PLUS版(50)

謎多き存在、ニンジャ。その生態や秘密の一端を解き明かすため、ニンジャスレイヤーの原作者であるボンド=サンとモーゼズ=サンにいろいろ質問してみるコーナー。そのPLUS版ができました! 時折開催されるnote上のアンケートを使って、読者の皆さんからおたよりを集め、その中からいくつかをチョイスして、毎月何個かずつ質問に答えて頂く予定です。 PLUS愛読者アンケートは数ヶ月に一度の頻度で行っています。たくさんの質問やはげましのおたより、ありがとうございます。今回は2022年4月分の

【アデレード付近の谷:アチダ=サン】新たなヴィジョン

スレイト・オブ・ニンジャ(ニンジャの石板)に映し出されるのは、ニンジャスレイヤー世界のありふれた日常風景、イクサの光景、あるいは謎めいた幻視です。 ** スレイトに新たなヴィジョンが映し出された **

S4第6話【アシッド・シグナル・トランザクション】

シーズン4目次 ← 第5話【デストラクティヴ・コード】 ← 1 緑の海には昼も夜もなかった。薄い色の空に静かにとどまる黄金の立方体の輝きが、時間を消した。風は数字の「0」と「1」の可視のノイズを含んで、地衣類じみた緑に覆われたビルの狭間を吹き抜ける。0の発見とはすなわち、古代人が人類以前の名状しがたき神秘にアクセスした瞬間であったのだろうか。  誰も知らぬ決定的なあの瞬間、凄まじい緑が放射状にネオサイタマを呑み込んだ。巨木が摩天楼の狭間に生え出で、天を衝き、埋め尽くした

ニンジャスレイヤー名鑑カードAoM-0101【アイアンアトラス】

アイアンアトラス / Iron Atlasニンジャソウル:不明 身長:約220センチ 外見特徴:屈強、ゴリラめいてガッシリとした巨体、メンポ 戦闘スタイル特徴:素手のカラテ 主な能力:強い 主な登場エピソード:【アイアン・アトラス】シリーズ

ニンジャかわら版:2022年6月号

毎月のニンジャスレイヤー連載やPLUSコンテンツを楽しむためのフリー副読本「ニンジャかわら版」が月刊方式になりました! 責任編集はこれまでとかわらず、ザ・ヴァーティゴ=サンです。記事の紹介だけでなく、その月に起こった様々なニンジャニュースやイベント情報も満載です! 📡WNSニュース・ヘッドライン◇「キョート・ヘル・オン・アース」最新刊10巻が6月20日発売! チャンピオンREDで好評連載中の「ニンジャスレイヤー キョート・ヘル・オン・アース」。最新の「リブート、レイヴン」