ザ・ウォー・ベトウィン・タイラー・アンド・ミナトモ#2
立体電飾旗本であるタケナカの使命は、とにかく合戦が落着するまで死なずに旗を掲げ続けることだ。
しかしこれだけのことが何よりも難しい。まず立体電飾旗印がひたすらに目立つ。そして阿呆ほどに重い。立体電飾を設計した宗家のお抱え技師は鈍器としての性能をも兼ね備えていると主張していた。内蔵の発電機を軽量化するには更に倍の予算がかかるが、旗印として用いられる都合上、容易に遁走できてしまう軽さではむしろ具合が悪いとも宣っていた。その技師はこの合戦場にはもちろん来てすらいない。ふざけた話だ