マガジンのカバー画像

逆噴射小説大賞2024まとめ

340
逆噴射小説大賞2024の全応募作品をまとめていくマガジンです。収録漏れらしきものを発見した場合は教えてください。
運営しているクリエイター

#冒険

2024年10月に「逆噴射小説大賞2024」を開催します

文字数制限は800文字以内! 今回の本文文字制限も、800文字以内です。しかしこれは「800文字以内で物語を完結すること」という意味ではなく「小説の冒頭部800文字で応募する」という意味です。つまり「この続きを読みたいと思わせる、最もエキサイティングなパルプ小説の冒頭800文字」を表現した作品が大賞を受賞し、その応募者は大賞の栄誉とともに黄金のコロナビールを獲得できます。 ◆逆噴射小説大賞とは◆この大賞イベントを主催する ダイハードテイルズ/Diehard Tales は

白き巨獣を解き放った冒険者達の章

 アーツィー=ツイーツィーベルの人生を語る上で、多くの者達はこう口にする。 『彼の人生は本当に不幸だった』 『彼ほど可哀想な子はいない』  だが。    本当に、彼は不幸だったのだろうか?    それを決めるのは、残念ながら貴方ではない。  何故なら。  彼の人生が本当に不幸だったか、そうでないかは。  彼自身にしか、分からないからだ。  何故、皆が彼の人生をそう語るようになったのか。  彼には、両親の記憶がない。  これまでの生活においても、所々記

コルベザグド遺跡の謎 序章

 トーイ夫婦は、考古学者だった。  彼らはある日、途轍もない物を発掘する。  とても抱え切れない、秘密。  夫婦は親友である、生物学者のコスタ夫婦に相談する事にした。  そして4人は、この遺跡の研究を秘密裏に進めて行く事を決めた。  調査を進めて、5年。  トーイ夫婦は、10歳の息子を初めて遺跡へ連れて行った。  その時の光景、コスタ夫婦と共に守り抜いた途轍もない物。  ザナウェイ=トーイは、一生忘れないだろう。  その後、4人は姿を消した。  ザナウェイ

「ジョン・ドゥ ~deleted Parajumper~」

「shitt」 新兵ですら犯さないような初歩的ミスを犯し、俺はそう呟いた。 間取りすら不明の、古くて大きな農家に飛び込んだまでは良かったが、マヌケ揃いと思い込んでいたトラフィッカーの中にも、そこそこ頭の切れる奴がいたらしい。 拳銃一丁でそいつらと戦いながら、いつの間にか地下室まで追い込まれてしまっていた。 出入口は狭い石階段のみ。 その一番下で、荒い呼吸を整えながら気配を探る。 建物の規模からして、ここには20名程度のトラフィッカーがいたに違いない。囚われていた女性た