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逆噴射小説大賞2021エントリー収集

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#逆噴射小説大賞2021  のエントリー作品を全て収集するマガジンです
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#小説

2021年10月に「第4回逆噴射小説大賞」を開催します

更新履歴:FAQにルビ機能の扱いが追記されました(10/1) “おれがこれから始めようとしてい…

神の国を血に染めて

 会社を辞めた直後に見上げる青空ほどこの世に美しいものはない。それがクソみたいな職場であ…

棺桶六
2年前
19

新校舎の蜘蛛

 女はブリッジをしていた。逆さ向きになった人間の顔はどうしてこれほど恐ろしいのだろう。そ…

zealotofBW
2年前
8

御竜氏は竜の威を借る者を狩る

夢を見ていた。竜王の提案を呑んで竜殺しをやめた日の夢だった。表情と反応から察するに、おれ…

グエン
2年前
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デビル・ミーツ・ガール

 聖堂の天蓋を見ていたシスターの視界は、自分を犯そうとした兵士の噴き出す血で真っ赤に染ま…

ナタ
2年前
9

宙、つめたく冷えて

 横薙ぎに椅子を男のこめかみに叩きつける。  吹っ飛んだそいつに椅子を投げつけ、腹の包丁…

摩撫甲介
2年前
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切られた脳と、消せないアイツ

俺の頭をいじくるように推薦したのは仁らしい。 「そこのバイク止まりなさい!」 「前原逸男! 君には出頭義務がある!」 パトカー三台、黄色で『処理推進センター』のロゴが入った黒のバン。 「原チャ一台にかよっ!?」 警官に囲まれたオレの前でバンのドアが開く。 出てきたのは女だ。出るとこは出てるカラダをリクスーに包んで、手には竹刀。 「前原くん、出頭命令が出たことはわかってるよね」 笑った。けど、こっちを殴る事しか頭にない。そんな笑顔だ。 「ざっけんなよ!」 女の陸上選手みたい

【小説】ドラゴン銀行

我ら兄弟、ちちははは別なれども流れる血は同じ。 我ら同胞の血を溢さず、また銀に換えず。 ~…

脱臼
2年前
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パニシュ・ユア・ヴァニシュ

 問題。重量2g余りの僅かな金属片で人が殺せるか。答えは恐らくイエス。全長15mmのリムド薬莢…

朝の梟と夜の太陽

 あなたは大丈夫だよね。  彼女がそう言っていたことをどうしても思い出す。あの時、彼女の…

宮塚恵一
2年前
12

サラエボの日

 1914年6月28日。オーストリア=ハンガリー帝国領、サラエボ。  僕は小さなカフェから、窓の…

bluebird_kndk
2年前
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我らが風紀委員長

「先生、現代史資料集のこの部分なんですが……」  その生徒は授業用端末を差し出しつつ、困…

bluebird_kndk
2年前
11

ラベージブリンガー

 気づいた瞬間、私の拳は眼前の男を殴りつけていた。  顔面に突然の一撃を受けて表情を歪め…

bluebird_kndk
2年前
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ダンジョン素潜り師 全裸のゼンジ

 どこまでも通路が伸びる赤い迷宮。地面が光り、闇の中で焚火をしているような空間であった。短剣を持った骸骨はただまっすぐに通路を歩き、曲がり角へ当たれは戻る。ただそれを繰り返し、また曲がり角へ来た。 「ソイッ!」  突如降ってきた全裸の男の肘に骸骨の頭を砕く。 「見たか!これぞ現地調達!」  男は骸骨の短剣を奪い掲げた。 「短剣より服はないですか、ゼンジさん。見苦しいのですが」  ゼンジの頭の中に声が響いた。指で頭を叩きながらゼンジはいった。 「ララくん、君は私と