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更新履歴:FAQにルビ機能の扱いが追記されました(10/1) “おれがこれから始めようとしてい…
屍人と長虫。『救世主』の発明によってこの世から消えた2つのもの。死の克服と竜の征伐はヒ…
「君の歓迎会だ、好きに注文したまえ。ここは何でも美味しいよ」 「それが……メニューが読…
チャーチワード氏が蒐集品に何より求めるのは珍奇さだ。 ダマスカス鋼のバターナイフ、人…
パルマコスの白い掌に赤い薔薇の花弁が落ちると、それは燃え上がり皮膚を黒く焦がした。 …
滲んだ宵で。 先輩は学校の制服のまま信号機に腰かけ、口笛を吹いた。 沈む陽。 夜になるのを…
「ぷあっ」 冷たい川の中、水草の隙間から顔を出す。闇夜の中で村が燃えていた。 寒さは感じない。右手に握った赤い石が、炉の前にいるほどの暖かさを与えてくれる。けれど、身震いした。ぼくの身を守ってくれる家族が、いなくなった。襲ってきたのは近くの部族か、放浪の馬賊か、それとも。これからどこへ身を寄せればいいのか。ぼくは天に祈るしかなかった。 「おや、生き残りがいたか」 上から低い声。おおきな影がぼくを見下ろしている。武装した騎兵だ。魚の鱗のような甲冑をまとい、頭に鳥の
「皆が貴女を何も出来ない小娘だと思っている、だから―」 ソフィアは寝台に横たわる病身の…
「貴方は世界の為なら命や尊厳さえも捨てられる素敵な男よ。でも、女は乙女を捨ててまで世界を…
ひっくり返った車から這い出てきた男は血まみれだった。 男は道路の真ん中でゆっくりと立…
「やめろ……やめろ!」 悪夢にひどくうなされ、最悪の気分で目を覚ます。午前三時。またか…
まず3つ、現代日本に生きる読書子に意外な事を教える。 一つ。古来日本において風呂とはミ…
「すいません、あの」 その声で目が覚めた。若い女が、私の顔を覗き込んでいる。 背と尻に…
窓越しに燃える我が家を眺めた。僕は到底ヒーローには成れなかった。 「早く詰めろセド、早く」 オオマが急き立てた。事務所の暗い部屋に炎が差していた。 散らばった書類、現金、旅行鞄。 消防車が近づく音。 オオマの金のネックレス。 朝は近い。 夜が明ける前に。 「リストは?」 手元の紙束を見せるとオオマはOK、OKと小刻みに頷いた。 「あと30分どうする」 「待たない」 「何で前倒す?」 「外と、あとは移ったら説明する」 オオマは顔を顰めたが、外を眺めた後、「わか