クロ -擬人化存在反逆譚-
戦車が前方に落下してくるのが見えた。落下しつつ不可思議な変形を行なったそれは、豊かな乳房と重厚な装甲を備えた10m近い巨人になり、私のバイクの進路を阻んだ。
魔神と闘えるのは擬人化された存在のみ。
戦い抜いた自分でもおかしな話だと思うが、実際そうだったのだ。とにかく私達は力を合わせて人の世を魔神から救った。そして脅威が去った世界は私達を恐れた。仲間達は皆元に戻されてしまった。自我のない戦闘人形。世界が欲しがるのはただの兵器だ。私のような自我を持つ擬人化存在は世界の敵なの