ホームズは何時間も黙りこくって坐ったあと、いつものように突然口を開いた。 「ワトスン、今は21世紀だったかな?」 「えッ」 ホームズにはほとほと驚かされる私だが、こんな間の抜けた質問は初めてだった。 驚く私を見てホームズはいたずらな目をして笑う。 「やあ、すまない。僕は何人目か…
その男は寂れたバーの扉を押し開けて現れた。 「水をくれないか」 男はイギリスなまりで言う。それが癇に障ったのだろう。今、イギリス人は荒くれガンマンと向かいあっている。決闘だ。 両者の間に乾いた風が吹き抜ける。バーの店主が思わず唾を飲む。そして緊張が張り詰め、張り詰め……弾けた…