第1回逆噴射小説大賞:二次選考通過作品まとめ

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シャーロック・ホームズ 螺旋の住人

シャーロック・ホームズ 螺旋の住人

 ホームズは何時間も黙りこくって坐ったあと、いつものように突然口を開いた。 「ワトスン、今は21世紀だったかな?」 「えッ」  ホームズにはほとほと驚かされる私だが、こんな間の抜けた質問は初めてだった。  驚く私を見てホームズはいたずらな目をして笑う。 「やあ、すまない。僕は何人目かなと考えていてね」 「何の話だい」 「なんてことない、ホームズの話さ」 「君の?」 「僕のでもあるが、それだけじゃない」  ホームズの話は要領の得ない、それは事件について話すようだった。 「考えて

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荒野の探偵

荒野の探偵

 その男は寂れたバーの扉を押し開けて現れた。 「水をくれないか」  男はイギリスなまりで言う。それが癇に障ったのだろう。今、イギリス人は荒くれガンマンと向かいあっている。決闘だ。  両者の間に乾いた風が吹き抜ける。バーの店主が思わず唾を飲む。そして緊張が張り詰め、張り詰め……弾けた瞬間、両者はほぼ当時に銃を抜き、銃声が三度鳴り響く。  ガンマンは目を見開き、地面に銃が二丁落ちる。 「てめえ、なんで」 「両利きかわかったって?」  イギリス人が微笑む。 「肘さ。始まりは両肘が赤

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