スペースうそチンチラ アンデスへの旅
『輸送船荒野のチンチラ号。船長はすでに拘束した。逃亡を続ければ宇宙の藻屑となってもらう』
「チンチラは自由です!誰のいうこともきかないです!」
船内無線から蟹骨格警察官の深海よりも冷たい声が響く。負けじと航海補助AI搭載のチンチラロボットがきいきいと叫んでいる。俺は硬い操縦席にハーネスで固定され、なすすべなくコントロールパネルの上を跳ねまわるグレーの毛玉を見ている。
『おれをはめたなクソAIめ!離せ!おれのせいじゃない!』
『静かにしろ。カニばさまれたいか』
無線の向こう