ダイハードテイルズ・マガジン

隻腕剣士と隻眼詩人

隻腕剣士と隻眼詩人

1  固く粉じみた赤の大地。苦痛もたらすゼゴル樹まばらに、水は無く。  黒馬の鞍に跨り、小高いキャニオンの頂に陣取った二人の野盗は、眼下の道無き道を睨め下ろしていた。不毛の地、「永遠の黄昏」を行く、ひとつの幌馬車があった。 「速やかに殺し、速やかに奪え」  そう云い、黒衣の男はアゼロ鋼の短剣を夕日に掲げ、黒紫の照り返しを確かめた。刀身の根本には三頭蛇の印、そして嘲笑う月の象徴が刻まれていた。月は毒であり、蛇は絆であった。 「速やかに殺し、速やかに奪う」  いま一

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