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逆噴射小説大賞2024:1次&2次選考結果

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小説の冒頭800文字で競う逆噴射小説大賞2024! その二次選考の突破作品集です。 ■全作品:https://diehardtales.com/m/m1f0c0cf87fd7
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#ハードボイルド

クラゲを海へ捨てに往く

 満月の夜。  俺は、足場の悪い山道を、六〇キロの袋を担いで歩いていた。事前に掘っておいた穴に到着する。穴の横に袋を降ろすと、鈍い音が響いた。  袋のファスナーを開ける。  ヘッドライトが死体を照らし出した。  若い男。  茶髪に、軽薄そうな顔つき。その右半分は、口径の大きな銃で撃たれたらしく、無くなってしまっていた。  この男が殺された理由――それは、俺の仕事には関係がない。俺はただ埋めるだけだ。  手袋をした手で、死体を担ぎ上げようとした。  その時。  男の残された

歌舞伎町オーバーボディ

「それじゃあよォ、ワレそん外道を放ってノコノコ帰ってきくさったんか!」  若頭のライ太郎が、ぷに丸に怒りを示すように応接机を蹴りつけると、水晶製の灰皿が浮き上がった。ぷに丸は何も口を挟めず、ただエアポンプの音を小さく響かせながら、俯いて揺らいでいるばかりだ。デザイン的に顔のない彼だが、どうやら反省しているらしかった。  粗製濫造された着ぐるみ達に目をつけた日本政府は、安価な労働力として彼らに魂を定着させる外法に手を出した結果、着ぐるみによる犯罪行為の多発を許した。  魂