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地面に突き刺した三脚杖にガラス玉を載せ、手を添える。露光魔法によって風景をガラス玉に刻む。焦点や光量を自在に操り、描き変えた世界をガラス玉に刻みつける快感は何ものにも代えがたい。 今から私は、嵐を刻む。 『嵐が来る!』今朝に道すがら出会った占い婆が私の顔を見るなり叫んで一目散に逃げ出した。嵐とは何か?決まりきっている。雨風でも、魔法でも、騎馬隊でもない。たった今戦場をなぎ倒し、大地を引き裂いて降り立ったもの。 竜である。 パシッ、ガラス玉に景色が刻まれる音がした。