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赤茶色に枯れた大地を見ていた。地平線までずっと続く赤を。 雲一つない青空とその下に広がる暗い赤がせめぎ合っている。 この赤い地平線の向こうにくそったれの大元が佇んでいる。直接見たことはないけど。 「観測ドローンからの情報は——」 見ればわかる。完全な無風。 相棒を地面に突き立て、地平線をギッと睨みつけてやった。 「今日こそぶち抜いてやるからな…」 「観測手の言うこと聞いてよ…」 ——絶好の狙撃日和だ。 空からあのくそったれが落っこちてきたときのことは何も知ら