小説の冒頭800文字でCORONAを勝ち取れ。ダイハードテイルズが主催するパルプ小説の祭典、「逆噴射小説大賞2019」のエントリー作品収集マガジンです。だいたい1日1回のペースで…
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#創作
【精霊の御前 仮面は踊る】 #逆噴射小説大賞2019 怖いの注意
どこかの民族の仮面
友人にもらったもの
何故こんな不気味なデザインの仮面をわざわざお土産にと思った
受け取りたくはなかった
でもある種の後ろめたさが私を支配した
その夜
私は夢をみた
仮面をつけた人が踊っていた
火を焼べ、宙へ焔の粉が舞う
翌日
また夢をみた
例の男は火を焼べ 踊る
時折 視線が合った気がした
夢 3日目
崇高、畏怖を併せ持つ何か
それに捧げるもの
【From the Kitchen】 #逆噴射小説大賞2019
ママがおかしいんだ
台所でずっと何かを切ってる
音がずっとしてる
ドアは閉まってて
へんじをしてくれないんだ
なにかをひきずる音
ママ カーテンを開けてください
お外からもなにも見えない
ママ ドアを開けてください
なんだろう、このにおい
あたたかいにおい
ママ、ママ
あ、何かがわれた音
ママ、大丈夫
すずの音がきこえる
ミケ、ミケがどこかにいる
またなにかがわれる
日曜日、悲しんでいるあなたが好き
泣き顔がどの角度からでも美しく見えるように――と、造られているとのことだった。そして実際に本物を目の当りにしたら、確かにそうなるように設計されているらしいのがFには一目でわかる。
彼は葬式で会ったら目を惹きそうな顔立ちをしていた。肌は永訣の日にふさわしく適度に血の気が欠けた色をしている。けれども全く機械的というわけではない。まつ毛の陰が落ちている眼元は、瞳に嵌め込まれた人造エメラルドの輝きと色