小説の冒頭800文字でCORONAを勝ち取れ。ダイハードテイルズが主催するパルプ小説の祭典、「逆噴射小説大賞2019」のエントリー作品収集マガジンです。だいたい1日1回のペースで…
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#毎日投稿
ヴァーディクト・ブレイカー
日本時間正午をもって、世界主要都市は壊滅、居住者の大半が死亡した。
その日事象として発生したのは、鈍色の骨格無人兵器、白亜の竜種、名状できぬ触手生物、錆色の巨人、腐敗の不死人、未確認飛行物体、奇怪地球外生命体、光なる神霊、異形たる悪魔といった人間の想像力を逸脱した脅威が一度に、出現と同時に人類を強襲した事態である。
一種でも手に余る脅威が、もはや数えきれない程の種別と物量でもって殺意を向けた事
ウォンテッド!ザ!ヒューマンリソース!
銃声、額から血を噴いて後方に倒れる脂ぎった男。もちろん殺ったのは俺。
無駄に広いオフィス応接室でビズの話を持ちかけられた俺は、迷わず乞食の豚野郎を射殺した。何故かって?
「一日平均稼働20時間で日収1000万、しかも通貨単位がロジじゃなくドルだぁ?そんなもん今時鼻もかめねぇ電子クズだろうが」
「ででででもそこを人材連れてくるのがあんたの仕事じゃ!?」
「ちげぇーよ死ね」
再度銃声、こめかみに
アバタール・イリュージョン
この世界で、ちゃんと人間の姿形をしている存在を見ると安心できる。
ディテールが省かれた電脳仮想空間内のバーで、隣のカウンター席に座った一抱えほどのアワビを見て自分は痛切にそれを感じた。
「となり、よろしいですかね?」
「ドーゾ」
順番が逆な気もしたが、かといってそれを主張するのも狭量であると考えなおせば、深く気にせずに隣のうごめくアワビの問いかけを鷹揚に流す。
このでっち上げの仮装世界でどん