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#ファンタジー小説
流れ転がる果てに因り-環紡術士道中記-
丘陵地が星空に照らされて、稜線が闇の中から浮かび出ている。一方、空を回る巨大な光の環は地上を照らしはしない。ただ私の目に眩しいだけだった。空をゆっくりと回転する幾重もの光環。それは徐々にすぼんでいき、先端は深い森の中に沈んでいた。
そこを目指して暗い林の中を駆ける。土を蹴るたび、早駆けの指輪が淡く灯る。
先を行く師匠が、直棒で右手方向を指した。
「御同輩が集まってきたよ!」
夜の林
悪魔憑きは殺さなければいけない
今、姫の乗る馬を引きながら、この先を考えているが碌な未来が見つからない。
姫は悪魔憑きの被疑がかかっているが今自分の判断では殺すことはできない。協会本部まで連れていき、判別する必要がある。それまで目を離すことはできない。
姫の従者は俺を決して信用せず、駄馬を駆りながらを俺から注意を逸らしはしない。先の戦闘で二人を守ったが信用を得ることはできなかった。
「いつまでこの荒地が続くの!私はとも
一つ目巨人の眠る地で
「準備はいいか?」
「ああいいよ」
遠くから馬蹄の音が聴こえる中、
俺の問いかけにグレイの髪を風にたなびかせてエルフの女が応じた。美しい顔にはしる傷痕を笑みで歪ませながら。
俺たち二人の冒険者は荒野にいた。辺り一面、赤茶けた土に覆われた地面が延々と続く不毛の地。
そこにひとつ巨大な骨が鎮座している。かつてこの地に棲んでいた一つ目巨人のものだ。通りがかった旅人を喰らっていたこの
巨人はある英雄
マネー・竜ダリング!
「親分…どうしやす?これ」
昔々あるところに二人の男がいました。髭面の親分とのっぽの手下。職にあぶれて泥棒に身を落とし、今日は彼らの初仕事。夜の闇に紛れてどうにか街の貴族のお屋敷からこっそり宝を盗んだはいいのですが、彼らは大切なことを忘れていました。
「そうだよなぁ…売り払おうにもどこで売りゃいいんだ」
親分はたっぷり蓄えた髭を扱きながら考えていました。
目の前のお宝にはしっかり貴族の家紋が刻みつ
【DRAGON RIDERS】
––かつて、人と竜による互いの生き残りをかけた《大戦》が勃発していた
壮絶な戦の果て、その決着はお互いの《共存》というかたちで終結した
...それから千の年が流れた......
「さあ!今年も開かれました!第137回【DRAGON RIDERS】!今年も最高のドラゴンとその乗り手達の熱き《大戦》が幕を開けるーーーーッ!!!」
「まずはエントリーNO1!命知らずのクライスと『赤竜(レッドドラ
第7師団山裾防衛隊隊員録 王女と戦闘あほ
払暁王国第13王女たる私、メレディスがこの場にいることが間違いだと思ったのはこの一週間で何度も有ったが、今感じているその感情の理由は大きく変容していた。
「姫様ァ! いや、少尉殿ォ! ちゃんと隠れていますかァ!」
カスタムキャノンの流れ弾が、私のうずくまる大木の幹を削り取っていく。しかしロクロウ准尉の胴間声のほうがよっぽど大きい。
人間なのか。彼は。私と同じ。
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