逆噴射小説大賞2019:エントリー作品

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記事

流れ転がる果てに因り-環紡術士道中記-

丘陵地が星空に照らされて、稜線が闇の中から浮かび出ている。一方、空を回る巨大な光の環は地上を照らしはしない。ただ私の目に眩しいだけだった。空をゆっくりと回転する幾重もの光環。それは徐々にすぼんでいき、先端は深い森の中に沈んでいた。

 そこを目指して暗い林の中を駆ける。土を蹴るたび、早駆けの指輪が淡く灯る。

 先を行く師匠が、直棒で右手方向を指した。

「御同輩が集まってきたよ!」

 夜の林は

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感謝の極み(ズパッ)
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悪魔憑きは殺さなければいけない

今、姫の乗る馬を引きながら、この先を考えているが碌な未来が見つからない。

 姫は悪魔憑きの被疑がかかっているが今自分の判断では殺すことはできない。協会本部まで連れていき、判別する必要がある。それまで目を離すことはできない。

 姫の従者は俺を決して信用せず、駄馬を駆りながらを俺から注意を逸らしはしない。先の戦闘で二人を守ったが信用を得ることはできなかった。

「いつまでこの荒地が続くの!私はとも

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一つ目巨人の眠る地で

「準備はいいか?」
「ああいいよ」

遠くから馬蹄の音が聴こえる中、
俺の問いかけにグレイの髪を風にたなびかせてエルフの女が応じた。美しい顔にはしる傷痕を笑みで歪ませながら。

俺たち二人の冒険者は荒野にいた。辺り一面、赤茶けた土に覆われた地面が延々と続く不毛の地。

そこにひとつ巨大な骨が鎮座している。かつてこの地に棲んでいた一つ目巨人のものだ。通りがかった旅人を喰らっていたこの
巨人はある英雄

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よかよかよかったい
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マネー・竜ダリング!

「親分…どうしやす?これ」
昔々あるところに二人の男がいました。髭面の親分とのっぽの手下。職にあぶれて泥棒に身を落とし、今日は彼らの初仕事。夜の闇に紛れてどうにか街の貴族のお屋敷からこっそり宝を盗んだはいいのですが、彼らは大切なことを忘れていました。
「そうだよなぁ…売り払おうにもどこで売りゃいいんだ」
親分はたっぷり蓄えた髭を扱きながら考えていました。
目の前のお宝にはしっかり貴族の家紋が刻みつ

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雪に、沈む

マリアは編み物の手を止めてほの白く光る窓の外を見る。
雪の夜は明るい。空からはゆっくりと大粒の雪が音もなく降り積もっており、当然のことだが窓の外にあの癖毛はいなかった。

冬になって、今日で415日目。
ここ、トグリム地方は年間を通して常春の気候で有名だったが、10年に1度、実に2年に渡る冬が訪れる。
冬の間、世界は真っ白な銀世界となる。毎日降り積もる雪はゆうに子供の背丈ほどになり、時にそれは吹雪

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彼の名は

今日は11月13日、金曜日だ。今は夕方で木枯らしが冷たい。僕はいつものように近所にある廃工場の裏の原っぱの真ん中に寝転んで夕暮れを待った。
 目を閉じる。そして、心の中でゆっくりと三つ数える。
 きた。あの感覚が……。ネオンサインのようなサイケデリックな色彩のイメージが強烈に僕の心をとらえ始める。そして頭が少しボーっとしてくるとやってくる。
 今日は満月だ。現実の月は銀色に輝いている。
 しばらく

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とぅっとぅるー💖*+
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【DRAGON RIDERS】

––かつて、人と竜による互いの生き残りをかけた《大戦》が勃発していた

壮絶な戦の果て、その決着はお互いの《共存》というかたちで終結した

...それから千の年が流れた......

「さあ!今年も開かれました!第137回【DRAGON RIDERS】!今年も最高のドラゴンとその乗り手達の熱き《大戦》が幕を開けるーーーーッ!!!」

「まずはエントリーNO1!命知らずのクライスと『赤竜(レッドドラ

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いつもお世話になっております!
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