逆噴射小説大賞2019:エントリー作品
令和新撰組最後の事件 古都銘菓騒動
「御用改である!」
政策により建て直された古民家風の町家の玄関戸を蹴破り中に踏み込む。
俺の着ている浅葱色をしたダンダラ羽織が翻り、高周波ブレードへと改造された日本刀が鞘走る。
「ぎゃあっ!」「ぐえええ!」
戸の左右にいた不逞浪士風の男たちの手足をぶった切ると情けない悲鳴を上げてぶっ倒れやがった。やかましい、安物サイバネ程度で騒ぎやがって!
イベントで黒谷に「沖田」の1番隊がいたの
グッバイ、オールドマン
「親父ィ、死んでくれ」
銃口が私のこめかみに向けられていた。
5年ぶりに再会する息子の姿。
酷く痩せこけて骨と皮ばかりの相貌。その中で縦に裂けた金色の瞳だけが爛々と燃えるようにギラつき異彩を放っている。
蹴破られた書斎のドア越しに倒れている、頭部を撃ち抜かれた部下の死体を見るにどうやら伊達や酔狂ではないらしい。
「なっ──」
連続する銃声。
3発の弾丸が、私の頭蓋に叩き込まれた
ダウンフォール・オブ・ザ・トリックスター
「こわいこわいもうやだこわいやだこわい」
圭子はついにその場でへたり込み、うわ言を繰り返すだけの存在と化した。井上さんはまだ自分のネクタイを旨そうに咀嚼している。
館を焼き焦がす炎はいよいよ私たちに迫り、灼熱の空気が喉を焼く。脱出しなければ命は無いが、唯一の出口にはあの男が立ちはだかり、こちらに銃口を向けている。藤堂すみれは初めからこの男を蘇らせる事しか頭になかったのだ!
BLAM!!!
アタック・オブ・ザ・キラー・珪藻土バスマット!
「アイエエエ…助けて…助けて…」
風呂上がりの男が尻餅をつき、失禁しながら命乞いをする。
その流れ出たものを、目の前のバスマットは一滴も残さず給水しながらひた…ひた…と2つの角を足のように動かし、男ににじり寄る。
そしてばっ!とバスマットは男に飛びかかった!
「アアアアあああarghhhhhh…!」
男が叫び声を上げながら一瞬でミイラに成り果てたと思った瞬間にはもうそこにはバスマットと
炎、うず巻けよわが胸
時速285kmでぶっ飛ばす。
東海道新幹線”のぞみ”は新横浜を過ぎた。後は名古屋までノンストップだ。
スマホを見る奴、PCでメールを返す奴、大口開けて寝てる奴。
平日昼。車内の空気は弛緩している。
小田原を通過した。頃合いだ。
俺は席から立ちあがる。スーツのポケットからハンカチを取り出し、顔に巻く。車両間のドアの前に立つと、声を張り上げた。
「強盗だ!全員手を頭の上に置いて、席から動くな!」
DEKAZAME −刑事鮫−
「《ハンマーヘッド》!」
「《ラブカ》!」
深夜、周囲に人気のない駐車場。スーツ姿の青年と作業着姿の中年が叫び合い、空中に出現した二体の怪魚が激突する。
中年男の足元には血まみれの女性が倒れていた。
一方の怪魚がそのハンマーのような形状の頭部から小さな銛状のミサイルを発射した。もう一方の怪魚に当たったそれは空中で爆発的な水飛沫を上げる。
ウナギのような怪魚が苦痛に身をよじる。ハンマー頭の怪魚