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#オリジナル小説
未知の海洋怪物、倒すべし
惑星スリーテイルズの海は地球の海より緑色が濃く白い雲と海が水平線の端まで広がっている。穏やかな涼しい風が緩やかに浜を撫でる。
その波打ち際で重機が桟橋を組み立ている。少し離れた小高い丘では、4本足2腕の巨大重機タスマニアンGCを中心に大中小の重機が忙しく動き新スリーテイルズ星立生物研究所を建設中だ。
「ン?」
そのタスマニアンGCの操縦者は海の異変を察知した。沖で波しぶきが立っている。彼は右のサ
小惑星帯を疾駆せよオールドレディ
木星小惑星群の横を小型の宇宙客船、星間連絡船ヒラフが「回送中」を示すランプを点灯させ航行している。マットブルーの優美な流線形の船体、船尾には一輪のガーベラと花弁のエンブレム。
ヒラフはかつて宇宙一早く機敏な船としてこの宙域で名を馳せていた。まだ宇宙海賊という犯罪集団がいた頃だ。それももう随分昔だ。
そのヒラフが大型の小惑星の手前に差し掛かったその時、カート・ムラカミ船長はヒラフの後方を進む黒い物
見えない猫たちは海王星で微睡む
「猫チャーーン!」
ある日、太陽系最大の大型コロニーこと海王星リング型大ステーションの一角にある建築会社T社ビルの管理部で奇声が響いた。
管理部で各惑星現場とオンラインで管理していたある社員が急に立ち上がり大声を上げてのけぞった。
それが始まりだった。
「うわああ何コレぇーーッ?!」
インフルエンザから快癒して一週間ぶりに出社した庶務部の新入社員(研修中)のナギは異様な光景を目にして思わず後ず
張良子房、韓王を捕獲する
時は紀元前209年、秦は二世皇帝元年。
ここは秦の潁川郡。かつてこの地域を支配した韓という国があった。
粗末な家で男が二人向かい合って座っている。窓から差し込む陽光が埃と共に二人の顔を照らす。一人は身なりが整った美男子、対する男は痩せて衣は継ぎ接ぎだらけでみすぼらしい。
継ぎ接ぎ衣の男は自嘲を含んだ笑みを美男子に向けた。
「先の宰相のご子息の張子房殿と申されましたか。このただの庶人、韓成に一体何
暗黒ビズは常に雨とともに
雲がまばらな夕焼けの空だった。
その空の下を一人の男が歩いている。人気のない田舎道をきれいな夕焼けを見ながら歩くのは独り占めするかのようで男は好きだ。
男は警棒に付着した血をティッシュで拭く。2キロほど後方で転がってる奴はあっさりと情報を吐いた。
「おかげで珍しく早く終わったな」
男は赤色に染まったティッシュを放り投げ口笛を吹きながら歩く。
空は薄紺色に変わっている。男は電車の高架下を歩く。駅の