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逆噴射小説大賞2020応募作品収集マガジン

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#創作

2020年10月に「第3回逆噴射小説大賞」を開催します

“おれがこれから始めようとしているのは、予測変換やAIの力が及ばない世界、つまり血肉が通っ…

花冠を掲げるアラディア

櫛本朔治さま 櫛本佐和子より お返事が遅くなり、すみません。年度末はお互いに忙しくて参り…

高野優
4年前
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なるべく生者が望ましい

「……俺はどうなるんですか」  藤野央助は、青ざめた顔をハッと前に向けた。自らの失言に気…

【マスク/departure】 #逆噴射小説大賞2020

愛する国民の皆様へ マスクを 贈ります スマホの画面に臨時情報がインフォームされた数日後…

クリオネ
4年前
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焼きそばを食べる前と後

電気ポットに水を入れ、コードをコンセントに差し込み、スイッチオン。 徐々にポットの中の水…

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インバネス・レイヴンは剣を抜かない

 馬車道に蹄鉄の跡が刻まれ、点在する街灯の光は霧に隠れる。襤褸を纏った物乞いの老婆が空腹…

狐
4年前
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滞留海

 友達の引っ越しを見送ったのはもう十五回目になる。  先週、とうとうマリがいなくなった。マリの家の何もかもを載せた大きなトラックが走り去った時は、悔しくて、羨ましくて、寂しくて、涙が出そうになった。  少し前までドアには可愛い表札がかかっていて、家族で植えたという小さなパンジーの植木鉢があった。今では他の団地のドアまわりと変わらないくらい地味になってしまった。小さな頃から二人で遊んだ公園も、錆びたブランコが揺れているだけである。  この街はもう死んでいる。私もこの土地と共に朽

奨励会を抜けてアヴァロンへ

「アヴァロンは三段階に分かれる。序盤は九掛ける九のボードでチェスに似たゲームが行われ、駒…

復路鵜
4年前
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生きる理由と死ぬ理由

溺れる者は藁をもつかむ 溺れそうになったとき人間は何か掴まるものを探してもがき、それが全…

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さかいめ

 どこまでも灰色のひび割れた地面が広がるこの世界で、傷ひとつなく無事に現存する建物を見つ…

上陸する銀の鳥

 人間共が暮らす陸地から沖に出て、大きく離れたところ。潮騒や海鳥の鳴き声以外は何もないと…

高野優
4年前
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スリーピング・ジャーニー

 伊藤氏の目の前に置かれたタブレット端末には、拙い字で『落ち着いていただけましたか』と書…

魔導士 狭間来夢

 聴こえるだろう。  琴宮から木霊する絶望の声が。  感じるだろう。  琴宮から漂う悍まし…

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あなたに捧げる物語

 チバが得体の知れない朗読の仕事を引き受けたのは、日当五万円だったからだ。仕事が来ない声優にとって五万円は生命線だ。マネージャーを通さない依頼でも。 「ラー、シゥワーズ、シゥワーズ……」チバはあらゆるものを無視して現場入りした。雑居ビル、付き添いの大男、日本語ではない台本。そして彼の前に座る、全身が包帯で包まれた老婦人。仕事と金がなければ環境を選べない。  老婦人は椅子に縛られていた。唸り、足をばたつかせる。  大男は「優しげな声で読み聞かせをしてほしいんです」。 「