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“おれがこれから始めようとしているのは、予測変換やAIの力が及ばない世界、つまり血肉が通っ…
高校生の高濱夏帆が、自分には潤一郎という10歳年上の兄がいたことと、その死を知ったのは同時…
布団の中で小さく丸まっていた。 心臓がバクバクしてなかなか寝付けない。陸の孤…
「幽霊って本当にいるのでしょうか?」 カドワキが後ろでアホなことを言った。 「何言ってん…
「燃やしましょう」火我さんは言った。「この家は燃やした方がいい」 「何だと? 君は馬鹿か…
「おい……なんで部屋の中に死体があるんだよ!!」 深夜2時。 残業でくたくたになった…
魔王の指先から、鋭い稲光が走る。 それは光線となり、狙い違わず俺の体を撃ち抜いた。 光線が命中した箇所から体が消し炭と化す。ものの5秒と掛からず、俺の肉体は崩壊した。 「レム!」 俺の名を叫ぶ仲間の声が聞こえる。 ……全身が消し炭なのに、どうして耳が聞こえるのかって? それは俺が死んだ瞬間、そのすぐ隣から新しい俺が復活したからだ。 【残機5→4】 頭の片隅に、無機質な音声が響く。それに舌打ちをしつつ、俺は拳を構えた。 ただのいち村人に過ぎなかった俺が
新宿の雑踏の中に確かに富子の姿を見て俺は後を追った。 富子…。五年前に21歳の若さでこ…
「何で……書けないんだ……」 僕は駆け出しの小説家で、今非常にまずい状態だ。〆切が後一週…
苦痛と怒りが俺を苛む。 忌々しい炎が体を駆け巡り、俺を駆り立てる。 ニューヨーク地…
「なんかやっぱ、死体みたいな顔ですね」 目を覚ました私に向かって、その女性は開口一番そ…
軌道エレベーターから見下ろした“仮寓の星”の地表は白緑のオーロラの夜に染まっていた。窓に…
もうどれくらい経っただろうか。暗闇だけが包むこの空間に潜むそれは、紅の瞳を輝かせこちらを…
血飛沫が飛ぶ。 僕の枕に、僕の机に、僕のカーテンに、僕の服に、僕の顔に。 構うものか。 僕は僕のお気に入りだったプロ野球選手のサイン入り金属バットを、何度も何度も何度も何度も、コレの顔面だった場所に叩きつける。 ミシッというひび割れるような音がした。 一瞬怯んだ。 けれど僕は再びバットを握り直し、振り下ろす。音は振り下ろすたび大きくなり、最後には割れて、辺りに血と肉を更に散乱させた。 そうしてようやく僕はバットを振り下ろすのをやめた。 「はは、ははははは」