ゴボウを持ってキリンで駆け抜けよう
ここにキリンで駆け抜ける時に使われることになるゴボウがある。
ここにゴボウを持って駆け抜ける時に乗ることになるキリンがいる。
両者の距離は今、7500kmと12年離れている。
「次のサボテンを右に曲がってくれ」
実家がゴボウ農家の退魔精神科医、山岸宗一郎はドライバーに告げた。その界隈では「魔断の宗一郎」と呼ばれ、恐れられた、あの男だ。今日も義眼のダイアモンドがキラリと光る。
「次も右だ。その次も右。」
宗一郎の隣にいるのはメーリアだ。青白い顔でぐったりとしている。彼とメーリ