マガジンのカバー画像

逆噴射小説大賞2020応募作品収集マガジン

646
運営しているクリエイター

#パルプ小説

2020年10月に「第3回逆噴射小説大賞」を開催します

“おれがこれから始めようとしているのは、予測変換やAIの力が及ばない世界、つまり血肉が通っ…

決戦街トーキョー

 ヒリつくパルスが神経を走り抜け、巨大な脳髄の中でハルトは吠えた。なぜならそれは、失われ…

71

簒奪者の守りびと

「王太子。召し上がっていただけませんか。わずかでも」  ベッドに腰掛ける少年の顔は青白い…

71

鷹の眼は神を狙う

大統領殿へ 来月末までに10億ドル用意されたし さもなくば、全人類を殺す 準備出来次第、署…

ドント
4年前
65

『ロングソードの返済者』

「私、魔具にもならねえよね」「黙れ」 「あとどれだけ話せる?」「俺を泣かせるのはやめろ」 …

ばぷる
4年前
26

燦然たる断片

朽ち果てた機動兵器の残骸で弾幕をやり過ごしながら、俺は傍の肉塊に目をやる。陸軍の兵士。吹…

58

大人気連載!「あの人は今【第十八回】」~消えた天才俳優~

 都内の一等地。タワーマンションの最上階。今回の取材は相手宅で行うことになった。 ――素敵なお宅ですね。家具はアンティーク調に纏めて、落ち着いた感じになっていて。あちらの絵はもしかしてヤヌシュ・ミラレスですか? 美しいですね。 「良人が、全て決めています。吸っても?」  夫は大学病院に准教授として勤めており、今日は学会のため不在とのことだった。 ――構いませんよ。  相手は煙草を銜え、高級そうなライターで火を点けた。その時、左手の薬指が根元から無いことに気付いた。私の視線は気

ギャング・ヴァイオレンス・オール・グリーン

 その時、俺はダチとベロベロになるまで呑んでいた。カスみたいな居酒屋で、低学歴の馬鹿な半…

アイデンティティよ消えないで!

 私、一体どうしちゃったんだろう? 何をしてしまったんだろう?  深夜の路地で一人きり。…

愛煙戦隊キツエンジャー

プロローグ:燃えかす、再燃。「蒸せ、煮えたぎる魂!シガーレッド!」 「空よりも高く、高貴…

井上仕草
4年前
20

龍の契約

おれたちは、焼け焦げたトラックの脇、アスファルトがデコボコに剥げた道路にぶざまに転がって…

三宅つの
4年前
30

廃都に舞う翼

「危ねぇだろっがーッ!!」オープンカーの後部座席から怒声!そのすぐ横を破壊熱線が掠める。…

無銘海姫
4年前
26

ミダスのすべて

 ゴードンはあまり酒を口にする方ではなかったが、時折仕事が上手く行かない時や何かをじっく…

焼きそばを食べる前と後

電気ポットに水を入れ、コードをコンセントに差し込み、スイッチオン。 徐々にポットの中の水がコポコポと音を立て始める。水が熱湯へと進化している証拠だ。 この間にメインの準備。 テーブルの上に用意されたカップ麺の蓋を開け、付属の加薬やソース、ふりかけを取り出す。 俺の好きなメーカーの焼きそばだ。 事前に加薬を開き、カップの中に入れていくが、ここでちょっとした裏技。 普通の人は麺の上に加薬を開けてしまうが、これだと加薬が蓋についてもったいない。 そこで麺の下に加薬を入れ