マガジンのカバー画像

逆噴射小説大賞2020応募作品収集マガジン

646
運営しているクリエイター

#逆噴射小説大賞

2020年10月に「第3回逆噴射小説大賞」を開催します

“おれがこれから始めようとしているのは、予測変換やAIの力が及ばない世界、つまり血肉が通っ…

カルニアデス・ラヴァーズ

「どうか、私を喰らってください」 「出来ない」 夏の日差しが届かない路地裏にて、二人は断…

鷹の眼は神を狙う

大統領殿へ 来月末までに10億ドル用意されたし さもなくば、全人類を殺す 準備出来次第、署…

ドント
4年前
65

ジャック・バーンズ

『正義は必ず勝つ!この勝利を妻のアマンダと娘のヴィクトリカに捧げます』 車内テレビから、…

和刃
4年前
20

御遺体回収し〼(報酬歩合、応相談)

「蘇生できない? 話が違うぞ」  俺は公共ダンジョンから先刻回収してきたばかりの死体を前…

棺桶六
4年前
30

帝都霊戦記・隠剣不始末

拝啓  久しく御無沙汰しておりますがその後いかがお過ごしでしょうか。かねてよりお伺いした…

棺桶六
4年前
28

龍の契約

おれたちは、焼け焦げたトラックの脇、アスファルトがデコボコに剥げた道路にぶざまに転がっていた。ロブもおれも、片足が吹っ飛んでいた。ロブは右腕もだ。動けない。血のにおいを嗅ぎつけたように、銃を構えた黒い機械兵がぞろぞろとやってくる。ハゲタカのようなドローンどもも。とっくに、あっちにゃ生きた兵士はいなかったんだ。 「ここで惨めに死ぬンならよォ、逃げなきゃよかっ……」 その時、ヒュルルル……と空を切る音。(ミサイルか。一撃で死ねりゃいいな)おれはそう思ったが、死ねなかった。

『蘭之助、もう吠えないのか』

「おいは犬ではなか」 美貌の若侍はそう呟いたが、彼の魂を刈り取らんとする妖怪は彼とは別の…

白蔵主
4年前
90

『ローグ、ローグ、ローグ』

泥棒だけはやっちゃいけねえ、って、爺さんはことあるごとに俺に言い聞かせた。俺は尋ねた。置…

白蔵主
4年前
61

金娘龍ガリア

路地裏に二つの人影。何かが、女を突き当りに追い詰める。 それの瞳は爬虫類のように鋭く、身…

Feno2
4年前
8

ミダスのすべて

 ゴードンはあまり酒を口にする方ではなかったが、時折仕事が上手く行かない時や何かをじっく…

焼きそばを食べる前と後

電気ポットに水を入れ、コードをコンセントに差し込み、スイッチオン。 徐々にポットの中の水…

29

涅槃はどこだ。

最強の剣技とは何か? 簡単だ。 誰にも気付かれない速さで。 誰にも止められない威力を。 誰…

棺桶六
4年前
19

打ち砕こうとする者たちの軌跡

周囲を高い山に囲まれ、隔絶した村落があった ある年、これまでにない干ばつが続き、村の主な食糧資源である耕作が打撃を受け、飢饉を迎えようとしていた 村長(むらおさ)である長老は過去の経験から、雨が降ることを辛抱強く待つことを村民に説いた しかし、備蓄してある水と穀物はもって3か月。焦燥と絶望感から、ついに2人の若い男が長老の指示に反し、それぞれ村を出て活路を見出す旅に出た。祖先がこの地に村を築いて数百年。外の世界については誰も知らない状況であった ある若者は北へ向かった。村