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逆噴射小説大賞2020応募作品収集マガジン

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#短編小説

2020年10月に「第3回逆噴射小説大賞」を開催します

“おれがこれから始めようとしているのは、予測変換やAIの力が及ばない世界、つまり血肉が通っ…

異世界D

 ハチロクで峠を駆ける若き走り屋、写楽愛太郎(しゃらくあいたろう)は突如眼前に現れたトラ…

ナタ
3年前
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奇跡は砂になりて

 かつて、この世界には「ほんもの」の神様がいたらしい。  らしい、というのは、私は神様を…

里場
3年前
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ゾンビvsシャーク

 某国が秘密裏に開発していた生体兵器が漏れた、と言われている。その寄生生物は人間をより強…

ナタ
3年前
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醤油戦争

 醤油に人類史上最高のエネルギー効率が秘められていることが知られてから、戦争の全てが変わ…

ナタ
3年前
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焼きそばを食べる前と後

電気ポットに水を入れ、コードをコンセントに差し込み、スイッチオン。 徐々にポットの中の水…

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"王者"大雲高校柔道部 初戦敗退

買い出しから帰ったケンとマネージャーを、バイクのエンジン音が迎えた。道場の前に集結した暴走族が、狂乱の声を上げる。合同練習が始まろうとしていた。 「族に柔道が出来んのかよ。主将、最近変だぜ」 マネージャーは応えないが、何か思う事があるはずだ。不敗の絶対王者たる大雲柔道部は、コーチの死から変わってしまった。 「来週から選抜だってのに」 初戦の相手は無名だが、絶対に練習は欠かしたくない。ケンは急ぎ、道場へ走る。 人を乗せた凶弾が、道場に撃ち込まれた。 禍々しい改造バイ

集合的無意識=イドの茶碗

 重酸性雨の降りしきる錆だらけの街の一角に、古物商『捨神有拾神有』が暖簾を下ろしている。…

ナタ
3年前
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ぐぅと学者の漂流記

海の怪物。人によって様々な解釈がある。サメやタコ、クジラなど言い出したらキリがない。 だ…

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イマジネーション・クライム

「おい……なんで部屋の中に死体があるんだよ!!」  深夜2時。  残業でくたくたになった…

gm-rikusen
3年前
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死にたがりマキアスの英雄譚

 マキアスは英雄で、不死身で、死にたがっていた。  幼少期に野生の大熊を一人で殴り殺した…

ナタ
3年前
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嗤うゴーストライター

 すべてはジャン=クロード・ヴァン・ダムからはじまった。  最初こそ大物めいたもったいぶ…

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元傭兵シングルファーザーVS元傭兵シングルファーザー

「おはようございます」  アヤコ先生が子供たちを迎える笑顔は最高に愛らしい。送り迎えのこ…

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映画みたいな復讐(リベンジ)

 違う会社だと気がついたときには遅かった。完全に頭に血がのぼっていたおれは、ハンマーを手にオフィスを破壊し尽くしていた。  きっかけはふと目にしたテレビだった。そこにおれの映画が映っていたのだ。あの場面、あのセリフ。紛れもなくおれが書いた脚本だった。おれの最後の傑作をあいつらが断りもなく映画にしたのだ。  エンドクレジットにおれの名前はなかった。代わりにあのクソ野郎が監督と脚本を担当したことになっていた。プロデューサーも映画のことなど何一つ分かってない、あのジャン=クロード・