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逆噴射小説大賞2023:一次&二次選考突破作品

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小説の冒頭800文字で競う逆噴射小説大賞2023! その二次選考の突破作品集です。■応募要項 https://diehardtales.com/n/n23ff04fae3b4 ■…
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#ファンタジー

遺灰被りのコフィン・ポーター

 冒険には危険が付き物だ。だからこそ、彼女の仕事も尽きない。 「こちらシリス。目標地点に到達しました」 「了解、対象はそこでロストしている」  シリスは、自らを覆う手足の付いた棺を立ち上がらせる。そしてコフィンが背負うのもまた、棺だ。これが、彼女の仕事だ。  場所は、現代にはない意匠が彫り込まれた遺構。近年一夜にして、こつ然と発生した山に発見された迷宮。未探査の遺跡とあってこぞって冒険者達が押し寄せた。その後は、この通り。  コフィンの眼を通して、シリスは辺りを探る。

土蔵は下へと旅を紡ぐ

 ふらふらしていた俺が故郷に戻ったのが二年前。  実家の祖父と土蔵掃除を始めたのが三時間前。  いま俺はダンジョンに潜っている。横にはファンタジー世界から来たエルフ。俺が腰に差しているのはファンタジーから流出した魔剣グラム。  土蔵の真下にダンジョンが生じたというのは笑い話だが、現実に家族を害したとあれば話は別だ。グラムは祖父の魂を食い本人は昏睡状態で寝ている。  経緯はこうだ。掃除を始めたところ、箱からグラムがこぼれ落ちた。魔剣は俺の心臓めがけて射出され、横の祖父が