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これは夢だ。間違いない。何しろ天も地も真っ赤に染まっていやがるんだ。 赤茶けた大地と赤黒い大空にはこれまた真っ黒な影がうようよと蠢いている。どいつもこいつも皺だらけでがりがりに痩せ細っている。そいつらは目の前にあるものは何でも喰らい付く様だ。四方八方から肉を噛み千切る音、骨を噛み砕く音がする。 思わず左腕がずきずきと痛み出す。この前の戦で肘から先が無くなった筈なのにだ。可笑しなものだ。無い筈の左腕が痛みを訴える。ああ、可笑しい。何もかもが可笑しい。この光景も、左腕の