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逆噴射小説大賞2019:1次&2次審査突破作品

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小説の冒頭800文字でCORONAを勝ち取れ! ダイハードテイルズが主催するパルプ小説の祭典、パルプ小説の祭典「逆噴射小説大賞2019」の1次&2次審査を突破した作品をファイリン… もっと読む
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記事一覧

夜明けにカササギが鳴いたら

 その災害は、深夜に発生した。  俺のもとに連絡が来たのは、3時を少し回ったころだ。現場は…

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柳生十兵衛がやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!

【重要】長編版を連載開始しました。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆…

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殺意の掟

 もう駄目だと思った。  山奥の廃村でこの男の頭を岩で潰しておしまい。そのはずだった。  …

ishiika78
4年前
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眠れぬ街のマージョリー

第一話「Awakening」 私は叫びながら9ミリをブチ込む。 相棒の胸に何発も――  三番街から…

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海鳴〈いの〉りの祝祭

 乾き切って埃っぽい朝未の空気が、頬と髪を撫ぜる。私はふと海鳴りの音を聴いた気がして、顔…

居石信吾
4年前
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ゴールドラッシュとシルバーアックス

 ギラつく太陽。一直線のハイウェイ。トルクにモノを言わせてビンビンにブッ飛ばす。キャデラ…

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ネイキッド・チャーチ

おはよう! 青い空、白い雲。 朝の太陽の柔らかな光が木々を輝かせ、俺の白い服を照らしていた。今日も心地良い風が吹いている。 「おはようございます」 エドワード神父がやって来た。 「神父様、おはようございます」 俺は挨拶を返す。エドワード神父は微笑み、朝日を眺めながら深呼吸した。俺もそれを真似る。美しい山の空気を肺いっぱいに吸い込む。すべてがきらめき、輝いて見える。なんて清々しい朝なんだ。 ……あそこに吊り下げられた死体以外は。 神父の肩越しに遠

20Hzの交差点

「先輩、見つけました!脱法ハードコアです!」 ちくしょう、また輸入品(ヨソモン)か。 近…

スノウメイカー

やりすぎたか。 護衛の依頼を受けての入国。凍死体から衣服を奪う追い剥ぎに襲われ、 咄嗟とは…

shitaingman
4年前
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”MURA-SAMA”

 鏡に映った男が、昏い目つきで俺の顔を覗き込んでいる。なんて目をしてやがるんだ。まあ、ヤ…

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マグマに咲く花

 星が落ちて3輪後。その方角から、天を照らすほの明るい赤が目立つようになった。それは井戸…

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タピオカ侍、殴りて候

「タピオカ侍だって!?なんてふざけた野郎だ!」  SNSに表示された親分の指令を権六が読み…

ブーソン
4年前
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ジャック・ザ・リッパー from 2019

「また、あの忌まわしい『切り裂きジャック』が現れたそうじゃない」  噂話をする貴婦人らを…

くねくね
4年前
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あなたの思い出、500円。

 「はい、それじゃ500円ちょうど。毎度あり」  俺は疲れた様子のサラリーマンから500円硬貨を受け取るとひらひらと軽く手を振る。  電車の通過する音が頭上に鳴り響く都内某所のガード下。  小さな折り畳み式のテーブルと、その上に置かれた1枚のボード。  これが俺の店だ。  俺はここでずっと「忘れさせ屋」をしてる。  嫌な記憶、忘れたい記憶、思い出したくない記憶、そんな記憶を一律500円で頭の中から綺麗さっぱりと消し去る稼業だ。  売れない催眠術師だった俺は、あるときこの