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逆噴射小説大賞2019:1次&2次審査突破作品

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小説の冒頭800文字でCORONAを勝ち取れ! ダイハードテイルズが主催するパルプ小説の祭典、パルプ小説の祭典「逆噴射小説大賞2019」の1次&2次審査を突破した作品をファイリン…
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#パルプ小説

夜明けにカササギが鳴いたら

 その災害は、深夜に発生した。  俺のもとに連絡が来たのは、3時を少し回ったころだ。現場は…

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タピオカ侍、殴りて候

「タピオカ侍だって!?なんてふざけた野郎だ!」  SNSに表示された親分の指令を権六が読み…

ブーソン
5年前
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東洋決死圏

 戦場を一陣の風が駆け抜けていく。  その風の名は沙也可(さやか)。  雑賀の沙也可。   …

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武蔵坊弁慶 vs. 廃刀令

 あんた、仏像って見たことあるかい?  愚問だって顔だね。けど違う。私が言っているのは、…

mktbn
5年前
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よごれ仕事

「おふくろがね、消えたんだ」  ビニル袋の中の酒を取ろうとした手が勝手に固まって、おれは…

摩撫甲介
5年前
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穢土堅洲泥府(エド・カタストロフ)

ごぎゃああああ……ごぎゃあああああ…… 無人の荒野に、赤子の泣き声が響く。黒い空から冷た…

三宅つの
5年前
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大統領の世界みなごろし大作戦

 アメリカの大統領が世界各国のテレビ衛星をジャックして、生放送を始めた。 「国民、ひいては世界の皆様、お話があります」  中華街にあるラーメン屋、天井角に設えられた小さなテレビの中で、彼はそう言った。 「私は、もうこの世界に耐えられません」  届いたばかりの大盛りのラーメンから顔を上げ、そりゃそうだろうなと、おれは思った。 「ゆえに私、アメリカ合衆国大統領ハート・ミハルカは、死ぬことにしました」  勇気ある決断だ。店の外のサイレンが騒がしい。 「この世界は、私むけに作られてい

迷い猫

ミケがいない。 近所を探し回ったけど見つからない。電柱に張り紙したけど出てこない。 家出か…

優まさる
5年前
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ワニガメを撃て

「シモヘイヘは老衰で死んだ」と三度唱えろ。俺の中に根差した経験がそう囁く。狙撃手が直接命…

狐
5年前
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金剛石《ダイアモンド》の弾丸籠めて

「いいか? 撃てる弾は五発だけだ」  彼の声は、脳に直接響いてきた。  軽薄な、いつでも…

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月の光が人を焼く

 私を縛る縄が痛いけど、舌の感覚もなくなったから言えなかった。  殴られすぎて頭がパンパ…

摩撫甲介
5年前
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