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逆噴射小説大賞2023応募作品一覧

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逆噴射小説大賞2023の全応募作品を収集するマガジンです。コンテストの詳細はこちら:https://diehardtales.com/n/n23ff04fae3b4   Phot…
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#掌編小説

超現象研究倶楽部 ひと夏の冒険

あの夏から今年で丁度10年経った。 僕達は高校生の頃超常現象研究倶楽部という部活を作って遊んでいた。 僕と守それから裕美と由紀恵と麗奈の5人だ。 随分下らないことをやったりしたが当時の僕らは本当に真剣な思いでUFOだの幽霊だのを研究したりフィールドワークを行ったものだ。 僕にとっては輝かしい青春の思い出なのだが高3となり守と裕美は受験勉強に専念するということで段々集まって活動することもなくなってきた。 なにせ部長の守が色々活動を決めたり仕切っていたのでそれなら超研の活動もこ

「D.O.D」#逆噴射小説大賞2023

「酒だけ飲んで生きていけるって知ってるか? 必要な栄養を摂れていないからあちこちおかしくなるんだが、飲んで死ぬのと、飲まずに死ぬのと、どちらを選ぶかなんて考えるまでもないだろう?」 「ドリンク・オア・ダイ、飲むか死ぬか、て昔はよく言ったが、今は違う。ドリンク・オア・ドリンク。少し飲むか、多く飲むか。短い間飲むか、長時間飲み続けるか。『二日酔いを恐れるならば、三日三晩飲み続けなさい』と言った聖人もいる。流れる汗が酒臭くなったり、話す言葉が酒まみれの戯言ばかりになったり、何を見

ドロップアウト・ボーイズ

 車窓を強めに叩く音で息がつまるような悪夢が途切れた。  夢の内容は途端に忘れたが、入れ替わりに昨夜のことが一挙に頭の中に押し寄せてきた。パニックになった俺は夜通し車を走らせ、明け方に家の離れにあるこのガレージに逃げ込んだ。シートを倒しもせずに寝たせいで体はバキバキだった。 「だいちゃん、起きろって」  運転席の外で喚くのは幼馴染のキーチ。奴が助手席に回り込もうとして車体前部の異変に気づくと、俺はヤバいと思ってドアを開ける。 「なんか血ぃついてんじゃん。何これ?」 「なんでも