
帯キャンペーン〆切探偵ザザ
ザザとは! ダイヤモンドの義眼を持つ超常探偵である! 彼は様々な期日を察知して現れ、人類に害をなす超次元存在を退治するのだ。放て! 義眼光線!
再編集にあたって
「〆切探偵ザザ」シリーズは、Twitter掲載当時、その時その時の様々な〆切と内容を連動させる形となっている事が多いです。
まとめ直しの収録にあたり、そのあたりの過去の〆切に関しては、そのままにするとよくわからなくなるので、極力書き直しています。
しかしながら、このエピソード「帯キャンペーン〆切探偵ザザ」に関しては、この「書籍帯を集める」という行動の、内容への食い込み割合がそこそこあったので、直さずそのままにしました。
このエピソードで言及されている〆切は、かつてあった「ニンジャスレイヤーの物理書籍の帯を集めて送るとプレゼントがもらえる」というキャンペーンの〆切についてです。そういうものがあったのだという事を頭に置いた上で、お読みください。
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「フー……」俺が愛好する泥水缶コーヒー社の泥水缶コーヒーは泥水みたいな味がするから大好きだ。俺がクズって事が端的にわかる。俺は俺を苛む事が好きなんだ。そうでもしないと、惨めな気持ちでいつづけるこの世っていうのは、地獄だから。泥水缶コーヒーはそんな俺の命綱ってわけだ。
泥水缶コーヒーには、ブラックと、微糖がある。微糖? その通り。何に対して「微」なのか説明するなんて事は、しやしない。微糖泥水缶コーヒーを毎日飲み続ければ、その微糖のパワーで一年間で体重を二倍にできる。成人病のおまけもついてくるぜ。俺は死ぬ勇気がないからブラックを選ぶ。
タバコを吸い、泥水缶コーヒーを飲み、またタバコだ。このチェインが大事なんだ。瞑想に近い。そしてそれを破るのが俺のスマートフォンの着信音。見なくてもわかる。別れた妻からのショートメールだ。『カラルド。クレジットカード請求書の件、あなたからもマギーに言ってちょうだい』クソくらえだ。
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