シャード・オブ・マッポーカリプス(87):メキシコライオンと野生化バイオ生物
メキシコライオン / Mexican Lions
メキシコライオンは、メキシコに生息する巨大なネコ科の猛獣です。通常のライオンの体長が2メートル弱なのに対して、大型のメキシコライオンはその2倍以上、4から5メートル近い体躯を持ちます。絶対の誇り、プライド、王者の威厳、そのような言葉がメキシコライオンには相応しいものです。
メキシコライオンは通常のライオンよりも遥かに強靭、かつ凶暴ですが、適切にしつけられた場合、極めて強い忠誠心、あるいはユウジョウのような絆を示し、死ぬまで主人のために戦います。その気質が、特にヤクザやメガコーポの重役に好まれています。過去の文明の皇帝や大王が愛したように、いつの時代も、百獣の王ライオンこそは、凶暴性と強さの象徴なのです。それはシンプルに、強いからです。
電子ネットワークが世界を覆い尽くし、サイバネ技術が普遍化した現代においても、それは何ら変わらないどころか、その暴力の価値をますます高めています。ライオンが電子ハッキング攻撃を受けて狼狽したり、火花を散らしたりすると考えられるでしょうか? ありえません。ライオンが敵対的企業による株券譲渡の誘惑などに屈するでしょうか? ありえません。ライオンは無敵の存在なのです。
野生の象徴であるメキシコライオンは、惰弱なサラリマンのように相手の年収、家柄、社会的地位などを感じ取ってかしずくことはなく、また単純な電気ショックや棒などの暴力で従えることもできません。気高い生き物であるメキシコライオンは、相手の内側から滲み出してくるカラテや容赦ないキリングオーラなどを認めた時にのみ、それを群れの長として慕うのです。
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