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シャード・オブ・マッポーカリプス(85):オキナワ

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「必ず、真実を暴いてみせるわ……!」ナンシーは黒いティアドロップ型サングラスで焼け付くような紫外線から目を守ると、額から垂れる玉のような汗を拭い、潮風を胸いっぱいに吸い込んだ。この過酷な環境すべてが、ナンシー・リーのジャーナリストとしての決意を試しているかのようであった。

 二人の報道特派員を乗せたクルーザーは、彼方の人工波発生プラント群から生み出される複雑な波に揺られながら、太陽を背負いながら北北東へと進んだ。陸地はもはや遥か遠い。西の空に目をやれば、ジャンボジェット機や暗黒メガコーポの輸送機が飛び交っている。

 地球温暖化により、オキナワ諸島の大半は水没したが、残された陸地の周囲には数々の暗黒メガコーポが作った洋上ユニットが浮かび、連結されて、大規模な水上都市を築いている。一部の水上都市は密閉型であり、その内部ではデミ太陽光が輝いているという。それならば、わざわざこの南国までやってくる必要もないはずなのに、それでもなお人々は約束の地オキナワの魔力に引き寄せられるのだ。

 - 【テラー・フロム・ディープ・シー】より

ニンジャスレイヤーという物語において、オキナワには3つの側面が存在する。ひとつは近代化された巨大リゾート都市。もうひとつは数々の神秘を内包した古代海洋文明とその遺産。そしてもうひとつは、西部劇におけるメキシコ、あるいはブディズムの西方浄土や、指輪物語における「西」のような、安息と逃避の地である。そしてこれら3つは全てが真であり、そこを訪れる者(あるいはそこに向かいたいという夢を抱く者)によって見え方の割合は違えど、この全てが渾然一体となったのがオキナワなのである。


楽園の島、オキナワ

オキナワは日本列島の南西部に位置する諸島群である。オキナワ・メインランドを中心に、数々の島によって構成されていたが、地球温暖化の影響によってその8割近くが水没。2048年現在残されているのはコンクリートによって守られたメインランドといくつかの幸運な島々、そして暗黒メガコーポなどによって築かれた水上基地と人工水中都市の数々である。

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