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【日報】DHTレディオの振り返り、多国籍の文化ハブとしてのDiscord、など (杉ライカ)

久々の日報です。「DHTレディオがやりっぱなしになっちゃってる部分が自分の中で結構あって勿体無いので、毎回、何か日報を書きたいな」ということを以前レディオの中で思いついたので、ちょっとやってみます(実況ログの抽出などは毎回行われるようになりましたが、それとは別に)。

なお開始前は、主にブレット・トレインとマリアビートルのことばかり話していました。そこは収録外の時間なので、特にログは残っていません。映画はワイワイ楽しめる感じでお気に入り。やはり終着点が盛岡なのか京都なのかで全てが大きく変わるのだな。アンドリュー小路はいつもかわいそう。

逆噴射先生ブレットトレインの監修の仕事とかやってたのかな、、、全然聞いてないけど🌵杉


逆噴射小説大賞

今年度の開催要項について、今の所予定している内容について簡単なアナウンスをしました。「1人3本まで」から「1人2本まで」に変更される以外は、基本これまで通りの予定です。変更の理由や狙いなどはレディオのログのほうを聞いてみてください(逆噴射小説大賞の募集要項の方でも書かれると思いますが)。今年も、パルプ小説を書く楽しみがたくさんの人に届くと良いなと思っています。

おたよりコーナーも「逆噴射小説大賞」テーマのコーナーがありましたが、そこから、HN:ハンブンバッチさんのおたよりをひとつ紹介します。

ダイハードテイルズの皆さんこんばんは。 私は2019年の第2回から参加しています。今年も参加するつもりです。 年々、審査の大変さが増しているのではないかと思います。毎年本当にお疲れ様です。 私は小説を読むことはあっても、自分で書くことはありませんでした。 自分に創作なんて絶対できないと、やる前から諦めていました。 しかし、パルプ小説の書き方講座と、第1回逆噴射小説大賞の盛況ぶりに触発されて、第2回に参加しました。 結果は2次選考突破でした。これがきっかけで、私の人生に、小説を書くという新たな趣味が加わりました。 「誰がいつ書いたって良いんだ。いいから黙って書いてみろ」ということを、皆様から教えて頂いたように思います。 本当にありがとうございました。 今年の逆噴射小説大賞も楽しみにしています!

- HN:ハンブンバッチ


しばらく前ですが、マスラダの回想シーンで「やっても良いのだ」というのをみて、心から「そうだ! やって良いのだ!」と叫びました。

嬉しい。逆噴射小説大賞をやっていて嬉しいことは主に3つあって、全く新しい人たちがやってきて賞の文脈とか一切無視したパルプ初期衝動だけの尖った作品が読めること、次に、これまで小説を書いたことがなかった人が手探りでそれを楽しんでいること、最後に、何年も連続で応募してきている人がどんどん精度をキャリブレーションさせて完成度を高めているのを見ること、なんですが、実際にこうした長文のおたよりとしてメッセージをもらえることはあまりないので、ありがたいことですね。

ちなみにハンブンバッチさん、以前からアイコンの謎生物が何かのか気になっていたんですが、『コデックス・セラフィニアヌス』の謎生物イラストからだそうです。なるほどここか。

それと、レディオをやっている途中に気づいたのですが、昨年度の大賞作品だったHN:誰も悪くないこれは悲劇やさんの「薄火点」が、ちょうど今日完全版になったようです。後で読みたいので、貼っておきます。


ハイクを詠め

DHTレディオでは最近、ニンジャスレイヤーをテーマにしたハイクコーナーをやってるので、今回分から2つピックアップしたいと思います。

ドーモ!今回もハイクをお送りします。 そうめんを並ぶクローン啜りたる(季語:そうめん 夏) クローンヤクザらはスシを食べますが、夏になるとやはりアイスやそうめんのように、冷たいものを食べたくなるのではないか、と思いハイクを作りました。 クローンヤクザらが違う食べ物を食べていても面白いですが、同じ形をした食べ物を同じタイミングで食べる構図にすると、絵になります。

HN:とりまりこ

これは洒脱でいいですね。クローンヤクザが流しそうめんのバンブーの前に横一列に整列して、同時にそうめんを食べている奥ゆかしい風景がありありと想像できました。「クローンヤクザも冷たいものを食べたくなる」というのもいいですよね。個人的には将棋をしてるクローンヤクザが好きです。

本兌も言ってましたが、クローンヤクザがたまに自由行動しているシーンはなんだかいいんですよね。最新【アイアン・アトラス・プレジデント!】の「貴方がCEOならば、私は大統領です」とか返すクローンヤクザもすごい好き。

続いてもう一本、中国のニンジャヘッズのHN:Demiluna-san(旧名:キョート城の上に/鶴が飛んでいた)からのハイク。今回はGDRさんによる代理投稿です。

「夕鐘に黄金を染めし杏の実」
 (悼念假把式·宗山=桑/カブセ・ソウヤマ=サンを悼む)

 HN:Demiluna

代理投稿者です。カブセの最期の瞬間を翻訳・放送した時、感動のあまり何度も涙を流したので、Demiluna=サンに彼を悼むハイクを書いてもらいました。

Demiluna:はじめまして、Demilunaと申します。今回俳句コーナーに投稿させていただき、心より感謝を申し上げます。一見したところは滅茶苦茶なハイクと思う方はいらっしゃるのではないかと存じますが、少々上記の十七文字を通じて伝えたいニュアンスを説明させていただければと幸いです。 GDR=サンは中国の方ですから、杏林という言葉がご存知だと思いますが、中国では杏や杏林を医者の象徴として使う表現がよく見られます。なぜならば、『神仙伝』によると、董奉という名医は患者を治療した後お金を受けず、代わりに杏の木を植えるようにと患者に言ったそうです。 そして、一般的に見ればハイクで描かれたい景色は次のようになります。山の頂に、夕鐘の音が昼の終わりを告げ、遠う夕焼けの空にわたって長引いて鳴く、ただ鳴くのように……斜陽の光が山の小屋の周りの杏の実に反射し、黄金の色を示しています。しかし、このハイクでは「黄金を染めし杏の実」になり、逆に杏の実の色が、黄金を染め上げたことになりました。杏の実(カブセ、もしくはカブセの人性)の輝く光が、夕空を満ちた霞と同様に、たとえお金や黄金でもそれに匹敵することができないのではないかを表したいと、私は考えました。 もしこのハイクを通じて、カブセの魅力を皆さまにお伝えにいただければ、嬉しい限りです。大変ありがとうございました。

これも凄く叙情的なハイクですね。【アンエクスペクテッド・ゲスト】に登場する医師のカブセは、どこまでも俗な部分とほんの少しの崇高な部分をあわせ持った、要するに人間臭いキャラなのですが、そのラストシーンはとても胸を打ちます。

杏、黄金、カブセという3要素に加えて董奉の逸話が引用されているというのは、解説付きでハイクを鑑賞する醍醐味ですね。たくさんの言語や文化を経てどんどん再翻訳さたり、新たな意味が付け加えられたりしてゆくのは、とてもサイバーパンクなものだと思うので、こうして世界中の多文化的なハイク作品を楽しむことができるのは、嬉しいものです。

「ブレット・トレイン」や「モータルコンバット」の映画の感想でも話したんですが、やはりキャストやスタッフが多国籍多言語多文化で、それが何かひとつ同じものを共有しながら熱心かつ真剣に楽しみ、そこに向かって創造的な作業を行い、言語や文化の壁を吸収したり、壁それすらも楽しみながらひとつのことをしていると、それだけで何か広がりがあるし、自由だし、たくさんの刺激を受けられます。

インターネットは本来それを加速してくれるクリエイティブなもののはずで(少なくとも自分はそのようなものを期待していて)、いつも何か不満や怒りやキップルばかり渦巻いてる昨今のインターネットの中で、こうした文明的な安息所のようなところがあると、希望を得られます。今週、DiscordのスタッフがTGSの関係で来日していて、小規模なクローズドパーティーに行ってきたんですが、そこでもやはり同じことを感じました。ニンジャスレイヤーとダイハードテイルズの文化的なハブとしてもDiscordはすごく役立っているし、とてもエッジでクリエイティブだなと思っています。ニンジャスレイヤーは日本ではTwitterだったり、韓国ではDCINSIDEだったり、中国ではWeiboだったりと、それぞれの国でSNSのトレンドや活動中心は違うので、それらを繋ぐ場所としてDiscordが今後もっと重要になっていくのかなと思っています。

というわけで、中国語や韓国語の翻訳をされているニンジャヘッズの皆さん、いつも本当にありがとうございます。われわれの大好きな作品である「ニンジャスレイヤー」がこうして世界中の人に楽しまれている事はもちろんですが、そこからさらにDiscordというコミュニティを使って色々な文化的交流ができることが、とても刺激的です。

(杉ライカ)

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