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【AoM シーズン4エピローグ】

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S4第9話 ←


『貴様らの都に、最後の滅びを……千年の呪いを、くれてやる……!』

 セトの叫びは爆発四散パーティクルとなって儀式荒野を散っていった。マスラダとフジキドは、どちらからともなく、口を開こうとし……その瞬間、同時に、弾かれたように一方向を凝視した!「ミイイイヤアアア」茶器のデーモンである!

 肥え太ったデーモンはギョロつく目を激しく動かし、電子涎を撒き散らして狂ったように跳ね始めた。「ミイイイ!」乱雑な牙が生え揃うデーモンの口がすぼまり、セトの爆発四散パーティクルが吸い込まれ始める! デーモンのシルエットがにわかに膨張を始めた。「いけない!」ナンシーが駆け寄る!

「どうしたナンシー=サン!」膝をついて茶器のデーモンにタイピングを開始したナンシーに、フジキドは問いかけた。儀式荒野の空は突如真っ赤に染まり、ドローン描画じみた光文字「爆発します」「すぐ」のミンチョ文字が浮かび上がっていた。ナンシーは叫んだ。「この空間からすぐにログアウトして!」

「ヌウウウッ!」マスラダは頭を押さえた。断片的なビジョンが乱れ飛んだ。地底に設置されたヒラグモ茶器が爆発、ギンカクに反応、スゴイタカイビル諸共に爆発四散し、そのエネルギーがエネアドのネットワークを逆流し、ネオサイタマ全てのUNIXが爆発する……それは物理数秒後の無慈悲な現実を示していた。

「セトは最悪の時限爆弾を仕掛けていったようね。万が一にも自分が爆発四散し、儀式が失敗したら、そのエネルギー全てをヒラグモに注ぎ込んで、ネオサイタマを物理と電子の両面で焼き払うつもり!」ナンシーの現状把握は、マスラダのニューロンを焼くビジョンと合致していた。

「させるか……!」マスラダは耐えようとした。視界が乱れる。マルノウチ前の草原にニンジャ達が集まっている。そこにはガーランドら、知ったニンジャの姿もあった。黄金に輝く人型のニンジャを、彼らがカイシャクしようとする……その時、黄金の人型は極度膨張! ニンジャたちを四方八方に撥ね飛ばし、膨れ上がる!

「現世に固定されたキンカクの力が均衡を崩しつつあるわ!」ナンシーは茶器のデーモンを制御しようと心を砕いた。「セトの要素がヒラグモを毒し、力の流れを堰き止め、乱している。これが千年の呪いだというの? Y2Kが再び……!」「落ち着け。ナンシー=サン」フジキドが彼女の手に肩を置いた。

 彼はやおら、暴れる茶器のデーモンを抱え上げた。デーモンは脱出しようと藻掻くが、それを許さぬ。そして彼はマスラダを見た。「この茶器は私がどうにかする。オヌシは現世に戻り、問題に対処せねばならぬ。ニンジャスレイヤーとナラクの力を以てしてだ!」「01001!」マスラダの叫びはかき消された。

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