ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズ
S3第7話【ナラク・ウィズイン】#4(分割版)
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S3第7話【ナラク・ウィズイン】#4(分割版)

ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズ
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◇関連エピソード:「ギア・ウィッチクラフト」

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「何たる事か」つば広の旅人帽を傾け、真鍮の魔術望遠鏡を覗き込んでいたコルヴェットはこめかみに冷や汗を垂らし、呻き声をあげた。彼は相当離れた地点のマングローブの樹上から、ゴマグラウンドを偵察しているのだった。「これは想像以上だぞ、ニンジャスレイヤー=サン」彼は呟いた。

 キキョウ紋の刻印された陣幕に四角く囲われただだっ広い空間。その四隅には篝火が焚かれ、暮れ始めの空を焼き焦がす。中央には小さな塔ほどもある鈍色のモニュメントが屹立し、それを円状に幾重にも囲むのは、休まず祈祷するモータル・ボンズの集団である。

 これがゴマグラウンド……競技場ほどもある広さの場所で、実際恐るべき儀式がたけなわであり……「イヤーッ!」「イヤーッ!」そこへ繋がるジップラインを伝って、チューニンを先頭にしたゲニン集団が、今まさに集まってきていた。彼らはハリマ離宮の東西南北の五重塔から吐き出される兵士達だ!

 ドオン! ドオン! ドオン! ドオン! 一斉に打ち鳴らされるタイコ! ビイン! ビイン! ビイン! ビイン! 一斉に弾かれる矢無きセイクリッド儀式弓!「ハンニャー……ハンニャー……ハンニャー……」休まず唱え続けられるボンズ・チャント! ナムサン……おお……ナムサン! これでは正面突破は不可能だ!

「ウーム……」コルヴェットはスキットルのサケを口に含み、風をまとって退散した。……その、ゴマグラウンドの中心部。ギンカク・オベリスクを前に、腰に手を当てて満足そうに首をコキコキ鳴らしているのは、読者の皆さんもひどくご存知であろう、邪悪なるクローザーであった。

「ムフ……!」クローザーは三日月じみて目を細め、過酷なボンズの祈祷儀式の進行つつがなきを見守っていた。「ハンニャー……ハンニャー!」オベリスクの周りの地面には焼ける石炭が敷かれていた。意を決したボンズは裸足でその上に跳び乗る。合掌しチャントを唱えれば、このような火でも涼しい。

「ハンニャー……ハンニャー……!」唱えながら一周すると、満身創痍となって飛び降りる。新たなボンズが入れ替わる。「ハンニャー……ハンニャー……アバーッ!」ナムサン!そのボンズの場合はセイシンテキが足りなかったか、歩く途中で足元から全身火に包まれ、焼死! 急いで次のボンズが交替!

「なんと恐ろしい。モータルは容易に死ぬ、実に心臓に悪いな」クローザーは顔をしかめた。儀式を続けるボンズ達に、彼は呼びかけた。「もっと気持ちを高めてくれたまえ! 親王殿下は人遣いが荒くていらっしゃるゆえに! この祈祷の素晴らしいありがたさで、君らのボンズ・ステージは実際すごい効率で高まるのだ。修行の機会なんだからな?」

「……つつがないか」「おや、クセツ君!」進み出たクセツをクローザーは振り返った。「ご覧の通りだ、ひとまず人材資源は足りている。親王殿下のご機嫌いかがかね?」「1秒でも早くギンカクを最適化する……それだけを考えろ」「クキキ……簡単に言ってくれる! 命がけのボンズ達を労ってあげ給え」

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