シャード・オブ・マッポーカリプス(1):磁気嵐の晴れた世界で
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……ドーモ。
……ドーモ。ご機嫌麗しゅう。元気かね。
元気という事はないか。その状態ではな。だが数週間もすれば、また歩けるようになる。
私かね? 私は君の味方だ。君がもとの状態に戻れるまで万全のサポートをさせてもらいたいと思っている。勿論、慈善事業ではない。ある件に関して、君の協力が必要なのだ。詳しい話はおいおいするつもりだが、以前に君が行っていた仕事から特段外れた内容でもない。
だから是非、我々に力を貸すことを約束してほしい。私としても、君を今生かしている生命維持装置のスイッチを切りたいとは思わないんだ。
……そうか。助かるよ。
端的に言おう。君は約10年間……正確な経過日数を知りたければ調べさせるが……約10年間、昏睡状態で生死の境をさまよっているところを、我々によって発見、回収された。君は無残な姿でカスミガセキ・ジグラットの瓦礫の中に埋もれていたため、生命維持装置に繋がれ、空輸されたのだ。……そう、今君がいるここは、ネオサイタマではない。リバプールだ。
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