S4第5話【デストラクティヴ・コード】分割版 #9
見出し画像

S4第5話【デストラクティヴ・コード】分割版 #9

ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズ

◇総合目次 ◇初めて購読した方へ

◇まとめ版で読む

8 ←


9

 アヴァリスの記憶がいつの時点からのものなのか。それは、彼が暮らしたスラムに終始満ちていた霧のようにおぼろだ。己が何なのか判然としないのは、彼にとって不愉快なことだった。とりわけ、わかるようでわからない……半端な実感がぶら下げられているような曖昧さが、常に彼を苛つかせていた。

 気づけば彼はそこに居たし、奇妙な力も、共にあった。空にはオクダスカヤのツェッペリンが浮かび、黒コートの者達がしばしば、有能そうな若者をさらいに来た。彼らはオクダスカヤのエージェントで、ニンジャだった。そいつらはむしろアヴァリスの獲物だった。アヴァリスはそいつらを贄に、己の力を学び、肉体の感覚をキャリブレートさせていった。

 オクダスカヤはザイバツ・シャドーギルドという集団と散発的な戦闘を繰り返していた。慌ただしく付近を行き来するニンジャ達は、己自身の力に馴染む機会をアヴァリスに与えてくれた。捕食の機会を。……ケチなスラムで社のニンジャが行方不明になれば、当然、騒ぎになる。より強いニンジャが調査に訪れ、より強いジツをくれた。

 そのエスカレーションは何処まで行ったか? 最後まで行った。つまり最後は、ヴァイン……オクダスカヤの頂点に立つ存在が、直々に現れたのだ。アヴァリスはヴァインの獣じみた香りに、それまでとは異質なアトモスフィアを感じ取った。暗がりに身を潜め、機をうかがう彼の目の前に、ヴァインは平然と進み来た。そして……ぬかづいたのである。

この続きをみるには

この続き: 5,892文字 / 画像1枚
この記事が含まれているマガジンを購読する
加筆修正がなされた連載まとめ、人気キャラスピンオフ、設定資料などを豊富に収録。PLUS講読期間中は、このマガジン内の記事が読み放題状態となります。さらに毎月新たな記事が10本以上追加されていきます。

サイバーパンクニンジャ小説「ニンジャスレイヤー」の連載まとめ、書下ろしエピソード、コメンタリー、資料集などが読み放題! PLUSは2010…

この記事が気に入ったら、サポートをしてみませんか?
気軽にクリエイターの支援と、記事のオススメができます!
🍣🍣<キャバァーン!(電子音)
ニンジャスレイヤー公式/ダイハードテイルズ
ダイハードテイルズはニンジャスレイヤーなどを連載するオンライン・パルプノベルマガジンでありクリエイターユニットです。