シャード・オブ・マッポーカリプス(76):ヨロシサン・インターナショナルのニンジャ・エージェント
◇総合目次
ヨロシサン製薬は月破砕年に事実上解散し、その資産はヨロシサン・インターナショナルに継承された。
ヨロシ・サトルCEOが株式の51%を所持するヨロシサン・インターナショナル(以下、ヨロシサン)は、地球市民の隣人を標榜し、希望とユウジョウ溢れる社風を大々的にプロモーションする方針をとっている。しかしながら当然その陰では物騒なニンジャ戦力を有しており、社敵に対しては躊躇なくその力をふるう。
蓄積されたバイオテクノロジー資産に裏打ちされた特殊な能力を持ったヨロシサンのニンジャ達は他の暗黒メガコーポのニンジャ・エージェントとは全く異質であり、ひと目でその違いがわかる。今回は恐るべきヨロシサンのニンジャ戦士たちの実力を確かめていこう。
サブジュゲイター
そもそもヨロシ・サトルCEO自身がニンジャである。彼はサブジュゲイターというニンジャ名を持ち、ニンジャソウル憑依者を素体に旧ヨロシサン製薬が作り出したバイオニンジャなのだ。
サブジュゲイターはヨロシDNAを持つバイオアニマルやバイオニンジャ、クローンヤクザのニューロンに干渉して精神支配する力、「ヨロシ・ジツ」を持っている。サブジュゲイターはバイオアニマルと交配して生まれたデミバイオアニマルすらもニューロンハックする可能性を持つが、その場合、構造的に複雑な生物のハックは極めて困難となる。
バイオアニマル/デミバイオアニマルとは即ち、旧ヨロシサン製薬が「ノア計画」に基づいてデザインし、放流した生命であって、地球上の既存種を駆逐・あるいは交雑して、生態系を歪めていったものである(誤解されがちであるが、人類を始めとする非ヨロシ種が、ヨロシバイオアニマルやバイオ食品を食したり、共に暮らしたところで、そのDNAが後天的に変異してバイオアニマル化する事はありえない。人類は非ヨロシ種である。勿論、無知な市民のそういった誤解を意図的に煽り立ててFUD攻撃を行う特定メガコーポ御用ジャーナリストや環境過激派は存在する)。
ヨロシ・ジツの強制力は非常に強力なもので、ヨロシサンのバイオニンジャはサブジュゲイターに絶対服従を強いられる。自社の暴力装置をCEO自らが完全掌握する事には計り知れないメリットがあるといえよう。CEOが会社の頂点であり、バイオニンジャの頂点でもあるのだ。
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