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【プロメテウス・アレイ】#4

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ディー
1997_11_11

 お前は俺の寝室に来て

 俺の上に屈み込む

 ディーはマイクに喰らいつき、腹の底から叫びを絞り出した。ストロボの光が投げかけられ、時間の解像度が半分に削られた中で、彼はマイクスタンドにしがみついて、身悶えした。

 俺に何を言ったところで

 お前が何を言ったところで

 イーサンのギターの狂気は、苦闘するディーを軽々飛び越えていく。旋律もクソもない。引っ掻くような、刺すような爆音、本能そのままで、法則も、再現可能性も何もない。ドラムとベースはひとつになり、トランス状態めいて揺れ、催眠的なリズムを作り出す。

 歪んだ空気の中を、ディーは泳ぎきろうと必死だった。脳に色彩が渦巻く。音の力、それだけだ。ただの音が……そしてゆらめく光と影の力が、この場所に凄絶な精神的光景を作り出している。

 フロアに客が増えている。バー・スペースにいた者達がプロメテウス・アレイの鳴らす音に触発されて降りてきているのだ。

 ディーは彼らのなかにスズリ・レコードの人間を探す。プロデューサー、レコード会社の社長……ディーには縁のない連中だ。どういう外見だろう。きっと、いけすかない野郎だろう。

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