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ウォーカラウンド・ネオサイタマ・ソウルフウード(1):ドンブリ・ポン

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 ズゴゴゴゴゴ! ドゴゴゴゴゴゴ! カンカンカンカンカンカン! 扉を開けた俺の耳に飛び込んできたのは、パチンコ店もかくやというラウドなファストチューンだった。

「うわッ!」

 俺は思わず耳を塞いだ。そのしぐさを、早速他の客から白い目で見られた。そりゃそうだ。俺だって、飯を食っている最中にそんな奴が現れたらちょっと頭にくる。早速やらかしたか。俺は弱々しい愛想笑いを浮かべて会釈した。アッパー・ガイオンにはこんな騒々しい飯屋なんて無かったんだ。

「「「ハイ、イラッシャイマセェー!」」」

 ハッピ姿の店員が一斉に声を上げた。俺はまたギョッとしたが、今度は平静を保つことに成功した。店員は三人。カウンターの奥で寸胴鍋をかき混ぜたり、マナイタの上のマグロらしき物体をカットするなどの作業に集中しており、俺の方を見る店員はいない。天井を這いまわる配管パイプが蒸気を噴き出し、カウンターに設置された赤灯がクルクルと光を回転させている。店の隅に積まれた錆だらけの合成ショーユ・ドラム缶が俺を不安にさせた。

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