S4第6話【アシッド・シグナル・トランザクション】分割版 #6
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「……やったのか、タキ」ニンジャスレイヤーが呼びかけた。『ああ、やった!』タキが答えた。『セトの奴のコトダマ空間に、ナンシー=サンを送り込んでやった! 正直ヤバい瞬間もあった。敵もさる者でよ、自動人形めいた分身に領域を警護させていた。干渉を察知して反撃してくる。だが、欺いたぜ』
「退けたのか」『ナンシー=サンの潜入はバレてねえ……筈だ。感謝しろよ。全てオレの非凡なるテンサイ・タイピングの結果なんだ! まあなんだ、カリュドーンが続いたせいでネオサイタマが今こんなになっちまってるッてンだからよ。世界、救わねえとな……ッて。オレの英雄性がうずいた結果だな』
「この後どうする」『それはな……ナンシー=サンが……まあ、よしなにするというか……とにかく掻き回す。闇の存在にオレとナンシー=サンの計画が傍受されたり悟られたらダメだから、お前らには情報を小出しにしてるだけで……』「次の狩人を迎え撃つぞ」『そう、それ。それに関してはOK!』
ガガピガガー。スフィンクス型UNIXのモニタがデータ混線し、タキのワイヤフレーム映像が出現した後、ネオサイタマ市街の座標が映し出された。『ログ抽出は順調だ。奴らの次の狩人はメイヘム。このメイヘムって奴は難物でな。リアルニンジャを神と仰ぐ "ドクノキバ" の戦士なんだ』三面図展開。
「毒の牙。不吉な名前です」コトブキが神妙にした。『その通り。妙な催眠術を利用し、ネオサイタマに根を張ってる。こいつらのボス、アイアンコブラが、察しの通りカリュドーン参加者の一人だぜ』三面図が遷移し、ネオサイタマ内のポイント座標が明確化した。『コブラの寺院。ここにメイヘムは居る』
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