【デス・フロム・アバブ・UCA】#7
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「イヤーッ!」SLAAASH! メタルファルコは滑空チョップで戦闘ヘリの横腹を引き裂き、墜落爆発せしめた。さすがの戦闘能力である。だが彼は怒りに燃える瞳で部下を振り返った。「マイトイカラス=サン! ふざけるなよ!」IRCインカムに怒鳴り声をあげた。無駄な独断専行を咎めたのだ。
ロッキー山脈を越えてバンクーバーへ奇襲をかけ、怒涛めいて攻め上り、アケチの暴威を知らしめ、民間人を虐殺し、ヨロシンカンセン発着場を破壊、レールラインを寸断し、以てバンクーバーの完全孤立化を達成し、そのままローマ歩兵隊のごとき残虐ゲニン部隊を南下させ蹂躙する。
ヨロシンカンセン発着場は今回特に注意すべきターゲットとして情報共有されていた。発着場はUCAというよりヨロシサン・インターナショナルの所有物であり、危機感のレベルが違う。既にASAP対応プロトコルが発動されている筈だ。反撃も苛烈なものになるだろう。ゆえに、市街地の雑多な戦力をまず叩いた。水も漏らさぬ計画だ。
「俺に続いてヨロシサン発着場へ向かえ! 貴様は立場をわかっているのか! アケチの象徴、聖戦士だろうが!」叱責しながら、メタルファルコは憤怒と屈辱に噎せ返った。このいけすかないニュービーは、自身の象徴的重要性を十分に自覚している。メタルファルコが立場上、彼を最終的には無下にできぬとタカをくくっており……実際それは事実なのだ!
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